本日1月9日は
大林が20年ぶりに広島・尾道で撮影した本作。原爆投下前夜の広島にタイムリープした3人の若者が、移動劇団「桜隊」を救おうとするさまが描かれる。
ポスタービジュアルを手がけたのはアートディレクターの森本千絵。大林のファンだという森本は「大林宣彦監督の作品で心をかき乱されて大人になった私にとって、監督の作品のポスターに関わらせていただけたのは、大変光栄なことです」と喜び、「無力ながら大林宣彦監督に喝采と感謝を伝えたく、手作業のみでポスタービジュアルを描かせていただきました」と並々ならぬ思い入れを明かした。
また本作は、現地時間1月22日からオランダで開催される第49回ロッテルダム国際映画祭のPerspectives部門へ招待され、ヨーロッパプレミアが行われる。第4回尾道映画祭(2020)のオープニング上映作品にも選ばれており、初日の2月28日には大林らが登壇するイベントが実施される予定だ。
「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は4月より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
※第4回尾道映画祭は新型コロナウイルスの影響により、中止となりました
※「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は、新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて公開延期となりました。最新の情報は公式サイトをご確認ください
森本千絵 コメント
ポスター制作に関して
大林宣彦監督の作品で心をかき乱されて大人になった私にとって、
監督の作品のポスターに関わらせていただけたのは、大変光栄なことです。
今作は、監督の生命力、魂を剥き出しにしたような最高傑作です。
変えることができない悲しみ、変えていくことができる強さが色鮮やかに混沌とコラージュされています。
これは詩なのか絵画なのか奏なのか叫びなのか...
私は無力ながら大林宣彦監督に喝采と感謝を伝えたく、
手作業のみでポスタービジュアルを描かせていただきました。
監督に届けるためのものは、全エネルギー注いでも足りないくらいでした。
いくつか描いたものの、いちばん無心で一枚の紙に感じたすべてを込めたものを選んでいただきました。
ポスターを通して監督と初めて会話が出来たことを誇りに思います。
ずっと生きてほしい。ずっと作り続けてほしい。
そして、ひとりでも多くの人にこの作品の世界に来て欲しい、そんな願いを込めて作ったポスター。
ぜひ、みて触って絡まってください。
そして最後に、このポスターには伝えきれないほど、この映画は何億倍も凄いです。
大林宣彦監督の生きる力をぜひ多くの方に観ていただき、この世界の未来の平穏を祈ってください。
本作を鑑賞して
圧倒的な存在です。スタートした瞬間から3時間後まで仰天し続けました。
戦争史と、その間にもうまれてきた映画史と掛け流し上映のようにすべてが紡がれ
音楽のようにリフレインするたび思考が揺れ動く。
人間の愚かさが卑劣な戦争史を映画だとこう語れるのかと驚かされる。
これはかつて佐治博士が宇宙にレコードを飛ばしたように、
この映画も宇宙に放ち、残した方がよいと思います。
演出も編集も色も構図も、とんでもなく新しい。
何周もまわって、もっとも新しい。
思想科学実験であり、こんなもの見たことがありません。
見終えてからしばし放心状態で
開けてはならぬ玉手箱をあけ
現代に戻った時、まわりのすべての景色が変わってみえました。
わたしはこの歳でこれに出会えてよかったです。とんでもなく凄いです。
大林監督の力の源を感じ、これを作らなかったら死ねないという執念を感じました。
人がそれほどまでに
伝えるべき宿命をもって作った作品は震えます。
“歴史は笑ってない”
この言葉がまだぐるぐるまわり響くのです。
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yukihirotakahashi @room66plus
もうこの際お手伝い出来るならの気持ちで、僕も参加させて頂きました。
祝!大林宣彦82歳、尾道舞台の最新作「海辺の映画館」ポスタービジュアル公開(コメントあり) https://t.co/a6pzXpY6cc