展覧会「映画監督 森田芳光」のプレス向け説明会が8月8日に東京・国立映画アーカイブ 展示室で行われた。
8mm映画の自主制作を皮切りに、1980年代以降の日本映画界に話題作を提供してきた
展覧会の入り口は、森田の全身が写った写真を使用したのれん。それをくぐると、さらに「情報は、知的細胞だ。森田芳光」という文言が入ったのれんが掛かっており、そこを通ると展覧会のタイトルや会期、森田の写真が入ったボードが待ち受ける。振り向くと、そこにあるのは「
続いて、伊豆にある森田の別荘の書斎を再現したコーナーへ。窓外の風景は実際の写真から構成されたもので、反対側には森田の本棚が設置されている。すべて別荘から運び込まれたもので、文学やエッセイ、美術展の図録、映画やジャズに関する書籍、そしてマンガなど幅広いジャンルの本が並べられており、岡田は「監督の頭の中が見えるような、考えてきた軌跡がわかるような本棚です」と紹介した。
森田が愛したレコードの展示コーナーも。ほとんどがジャズだが、ピンク・フロイドのアルバム「原子心母」のジャケットも収まっている。そしてその反対側に設置された多くの引き出しの中身は、森田が残した貴重な資料の数々。大量の書き込みが入った台本、いろいろなアイデアを詰め込んだノート、企画書、絵コンテ、パンフレットなど枚挙にいとまがない。そしてその引き出しの上部には、「未来の想い出 Last Christmas」の原作者である
壁一面に展示された28枚の映画ポスターを横目に進むと「森田芳光の原点」という小さなスペースが右手に見える。ここには森田が自主映画時代に使用していた8mmの機材のほか、35mmフィルムも置かれていた。また、モニタでは8mm時代の作品がのちの商業作品にどのように昇華されていったかを解説する映像が流れる。
さらに進むと、ひときわ広いスペースの中に、サングラスを掛けた森田の顔が大きくプリントされた柱が2本立っていた。その柱の裏側には、森田に対するさまざまな映画監督のコメント、そして森田が手がけた作品のセリフが入っている。このスペースにも小道具が展示されているが、目を引いたのは「黒い家」に登場する黄色いボウリングボール。このボールのみがほかの小道具とは別の場所に単独で展示されており、異質なムードを放っていた。
スペースの中央には、森田が愛用したディレクターズチェアを配置。その上には森田の名言がいくつもぶら下がっており、「映画を観に行くというのは、人に会いに行くこと」というように映画に直接言及したものもあれば、「自分と他人を相対化できる人格を持たなくてはネットワークの発達も危険な媚薬でしかない」という、現在の社会を予期したような文言もある。
そして最後のコーナーは、近年海外で森田への評価が高まっていることを反映した「森田芳光のこれから」。世界で森田の上映会を組んだプログラマーによるビデオレターが流され、海外上映時の作品ポスターが展示されていた。
「映画監督 森田芳光」は8月12日から11月30日まで開催。
展覧会「映画監督 森田芳光」開催情報
会場
国立映画アーカイブ 展示室(7階)
会期
2025年8月12日(火)~11月30日(日)
開室時間
11:00~18:30(入室は18:00まで)
※9月26日(金)、10月31日(金)、11月28日(金)は11:00~20:00(入室は19:30まで)
休室日
月曜日、8月26日(火)~9月5日(金)、10月7日(火)~12日(日)
観覧料
一般 500円(400円)/ 大学生 300円(240円)/ 65歳以上・高校生以下および18歳未満、障害者手帳所持者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ 無料
※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む
※( )内は20名以上の団体料金
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展覧会「映画監督 森田芳光」8月12日に開幕、あの食卓や伊豆の書斎を再現 https://t.co/02ni2pp2mC 展覧会「映画監督 森田芳光」のプレス向け説明会が8月8日に東京・国立映画アーカイブ 展示室で行われた。 8mm映画の自主制作を皮切りに、1980年代以降の日本映画界に話題作を提供してきた森田芳光。…