短編集「食べる女」「続・食べる女」の映画化を原作者の筒井ともみ自ら企画し脚本を手がけた本作は、8人の女たちの日常が料理とセックスを通して描かれる群像劇だ。小泉は古書店“モチの家”の店主で雑文筆家でもあるトン子こと餅月敦子を演じる。
2018年1月、この日はトン子の住居も兼ねているモチの家に女性陣が集まり、食卓を囲んでおしゃべりする場面を収録。トン子の担当編集者で“ドド”こと小麦田圭子役の
職業も年齢も恋愛観も異なる女性を演じる6人の女優たちが6畳間の居間にそろうさまは、なんとも華やか。着物姿の鈴木は慣れた手付きで料理を台所からテーブルに運び、同じく着物に身を包んだフォックスは笑顔で料理をテーブルに並べていく。筒井が考案したレシピを含む50品以上の家庭料理が登場する本作では、スペシャルドラマ「みをつくし料理帖」などを手がけたフードコーディネーター・深沢えり子がスタジオに設置された調理室で手際よく料理を作り、提供。菜の花の昆布じめ、アジのサワークリーム和え、手羽先の岩塩焼きなどの品がテーブルを彩っていく。
居間には使い込まれた雰囲気の鏡台やランプが並び、押し入れの中には布団が積まれている。時が止まったような空間には和やかな空気が流れ、前田はトン子の飼い猫・シラタマを優しくなでるなど、女優陣たちは心置きなくくつろいでいる様子だ。芝居はほぼアドリブに近い状態で、皆「おいしい」と顔をほころばせ、楽しそうに会話を弾ませる。ツヤコの子供・リュージ役の瀧福之助、ミドリ役の鈴木優菜が、母親役の壇蜜と実の親子のように団らんしていると、監督・
料理や居間だけでなく、台所や古書店のセットも細部までこだわりが満載。台所には、使いかけで封がしてある煮干し、折り込みチラシで作った小物入れ、レシートの束、手書きのレシピなどが置かれ、それぞれのキャラクターに合ったお酒も並んでいる。筒井が手書きした看板が掲げられた古書店には、池波正太郎、宇野千代、森茉莉、村井弦斎ら文豪が書いたエッセイ本に加え、レシピ本やマンガなど食に関する古本がずらり。実際にあったら訪れてみたくなる趣のある空間となっていた。
山田優、広瀬アリス、ユースケ・サンタマリア、池内博之、勝地涼、間宮祥太朗らも出演する「食べる女」は、9月21日よりロードショー。
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小泉今日子の映画作品
リンク
- 「食べる女」公式サイト
- 「食べる女」予告編
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ひのえ茶屋 @HinoeChaya
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「食べる女」現場レポ、小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子らが華やかに食卓囲む
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