来日中のスピルバーグが自身の原点明かす、宮崎駿との対話にも言及

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レディ・プレイヤー1」のトークセッションが本日4月19日に東京・YouTube Space Tokyoで開催され、監督のスティーヴン・スピルバーグ、キャストのタイ・シェリダンオリヴィア・クック森崎ウィン(PrizmaX)が出席した。

スティーヴン・スピルバーグ

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「レディ・プレイヤー1」日本版ポスタービジュアル

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本作は“オアシス”と呼ばれる仮想現実世界を舞台とするアクションアドベンチャー。映像クリエイターを志す学生たちを前にしたスピルバーグは「未来のフィルムメーカーに来てもらえると非常に勇気付けられる。日本のみならず世界の映画作りが楽しみ」と述べ、「映画は文化の壁を越える。英語も日本語もしゃべれなくても、映画という共通言語を話せばいい。私たちはそれでつながることができる」と語りかけた。

「レディ・プレイヤー1」トークセッションの様子。

「レディ・プレイヤー1」トークセッションの様子。[拡大]

22歳の学生が多くの人をとりこにするアイデアやイマジネーションの源泉を尋ねると、スピルバーグは「オンラインで買えるものではない。何かを食べたり、飲んだりして得られるものでもない。そこにあるものなんだ。想像力は誰しも子供の頃から持っている。私はそれをチャネリングしていく。イマジネーションにオープンでいることが大事。そして、そこから浮かんだアイデアや物語を書き留めておくことを忘れないようにね」とアドバイス。20代の頃から「激突!」「ジョーズ」などを監督し映画界の第一線で活躍し続けるスピルバーグを前に、MCから「20代のうちに『ジョーズ』を超える映画を作れますか?」と問われた質問者は戸惑いながらも「イエス!」と答える。この様子を見たスピルバーグは「グレイト」と笑いながら太ももを叩いていた。

タイ・シェリダン

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森崎ウィン(PrizmaX)

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日本のポップカルチャーのキャラクターが多く登場する本作。その中で好きなキャラクターを問われたシェリダンは「ガンダムだね。世界中でプレミアに出席したけど、ガンダムが出てきた瞬間はどこでもクレイジーな喝采が起こるんだ」と明かす。これに同意した森崎も、プレミアで観客と一緒に映画を観たことを振り返りながら「あの瞬間の盛り上がりを世界中で目の当たりにして。もちろんガンダムだけじゃなく、キャラクターが登場するたびにベクトルが上がるんです。この作品に出られたことを本当に誇りに思えました」と述懐。またクックは「ハローキティです。映画を1回観ただけでは出ていることに気付かなかった。小さい頃にパジャマを着てたのに(笑)」と笑いを誘った。また本作への出演をきっかけに、日本のアニメーションや物語に興味を持つようになったというシェリダンは「君の名は。」をお気に入りの1本として挙げた。

日本映画について問われたスピルバーグは、1年ほど前に娘とともに宮崎駿に会ったことを明かす。「彼の作品は素晴らしい。特に『千と千尋の神隠し』はどのディズニー作品よりも優れている」とコメント。実際に会った際は「物語を作るプロセスでストーリーとキャラクターどちらが先に浮かぶのかという話をしたよ」と続け、「宮崎監督はストーリーそのものがキャラクターであると。だからキャラクターを見つけるのが重要で、キャラクターが物語作りの助けになると語っていた」と巨匠同士の思わぬエピソードを披露した。

スティーヴン・スピルバーグ

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イベントでは映画監督を志したきっかけについての質問も。スピルバーグは「子供の頃は自由じゃなかった。12歳の頃に父親の8mmカメラを見つけてからは、どうにもならない現実でもカメラを通せばうまく見られることに気付いた」と回想。「映画であれば現実には起こり得ないことも表現できることがわかった。そしておもちゃの電車を衝突させ、それを撮影して遊んでいた。でも父親から『壊したら取り上げるぞ』と怒られてからは、撮影した電車の映像を壁に映写して衝突させていたんだ。そうすればおもちゃは壊れないからね」と映画作りの原点を明かした。

左からスティーヴン・スピルバーグ、森崎ウィン(PrizmaX)。

左からスティーヴン・スピルバーグ、森崎ウィン(PrizmaX)。[拡大]

オリヴィア・クック

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現実にオアシスが存在したら何をしたいかという質問に、シェリダンは「テレパシーでのコミュニケーション」「宇宙旅行」を挙げ、クックは「ミュージカルが好きなのでその世界に入りたい。すべてのコミュニケーションが歌で、戦争も踊りながらするの(笑)」とジョークを飛ばす。「マイケル・ジャクソンと一緒に踊りたい」という森崎に、スピルバーグは「映画には君の才能を使うシーンがなくて残念だった」とコメント。またスピルバーグは劇中のあるシーンに触れながら「好きな映画の世界に入りたいんだ。劇中で『シャイニング』の世界に入るようにね。でも僕は役者じゃないから登場人物になるのではなく、家具とか花瓶になって映画を違う視点、アングルから見てみたい」と夢を膨らませていた。

「レディ・プレイヤー1」トークセッションの様子。

「レディ・プレイヤー1」トークセッションの様子。[拡大]

最後に本作の見どころを問われたスピルバーグ。しかし「日本には何度も来ているが必ず最後にメッセージを聞かれる」とこぼし、「毎回答えていたが、この映画は皆さん自身で探していただきたい。私がメッセージを言ってしまうとそれに縛られてしまう。映画にはたくさんのメッセージが含まれているので、自分なりのものを見つけてください。それが私にとっての“イースターエッグ”になります」と投げかけた。

「レディ・プレイヤー1」は明日4月20日より全国でロードショー。

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