クリストファー・ドイルが撮影監督を務めた本作は、アレハンドロ・ホドロフスキーの自伝的作品「リアリティのダンス」の続編。末息子のアダン・ホドロフスキーは、本作で青年時代のアレハンドロ・ホドロフスキーを演じた。初来日のアダン・ホドロフスキーは「東京の人は素晴らしい方たちばかりです」と挨拶。本作を「私にとって大変な映画でした。父親に演出されて父親を演じ、兄が祖父役で父の妻が衣装を担当していて一族が集まって作ったんです」と説明する。そして、「父から話を聞いていたのでいろんな記憶がありました。でも現場に行ったときには、また新しいイメージが浮かんできてより美しいものになっていったんです」と述懐した。
本作で音楽も担当しているアダン・ホドロフスキーは「パリのスタジオでミシェル・ルグランが使っていたピアノで作曲したんです」とうれしそうに話し、「『リアリティのダンス』でも一緒にやったので父が望んでいる音楽はわかっていました。バイオリン、ピアノ、フルート、オーボエの4つの楽器を中心とした楽曲を好み、エリック・サティ、ベートーヴェン、ストラヴィンスキーあたりが好きなんです」と語る。さらに「『ホーリー・マウンテン』『エル・トポ』で使った音楽を参考にしました。父の映画は同じ1本の映画だと捉えているんです」と自身の見解を明かす。
続けて「父はもうこの映画の続編を考えていて、父がパリで芸術家たちに会ってメキシコへ行くという話になります。そのためには資金が必要でして、億万長者の方がこの会場にいらっしゃいましたらうちの父に電話をしてください」と冗談交じりにお願いをし、観客の笑いを誘う。観客から「ホドロフスキー家に生まれたということはどんな感じなんでしょうか」と問われると「まったく普通ではなかったです」と笑顔を見せ、「夕食のときに一家の男子は詩を朗読しないといけないんです。あるとき父は兄に『裸になってスープの中におしっこをしろ』と言いました。そういう生活でした」とエピソードを披露。そして、自身を「靴が欲しいとなるとイメージにぴったりの靴が見つかるまで30軒くらい靴屋に行くんです。でもそういう部分はクリエイティブな面には役立っていて、こうだというものにたどり着くまでとことんやる性格なんです」と分析した。
最後にアダン・ホドロフスキーは観客に向けて「人に与えるものは実は自分に与えているものです。なのでお金を渡します」と言い、お金をじゃらじゃらと取り出して見せ客席を盛り上げた。
11月5日まで東京・アツコバルーで特別展「映画『エンドレス・ポエトリー』公開記念 特別企画」が開催中。同展ではアレハンドロ・ホドロフスキーと妻パスカル・モンタンドン=ホドロフスキーの共作ドローイングを見ることができる。
「エンドレス・ポエトリー」は、11月18日から東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINKほか全国で順次公開。
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みむさん(𝒎𝒊𝒎𝒖-𝒔𝒂𝒏)🤭🤭🤭 @mim_3_
裸になってスープの中におしっこをしろww
ふいた
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