ロマンポルノの女王・白川和子、“後輩”の飛鳥凛や冨手麻妙らを賞賛「あっぱれ！」

本日11月20日、「リブート新作公開直前！45周年を迎える同日の昼下りに『団地妻』を観よう！女優陣が勢揃い～ロマンポルノ誕生45周年記念イベント」が東京・新宿武蔵野館で行われ、白川和子、風祭ゆき、芦那すみれ、間宮夕貴、井端珠里、冨手麻妙、飛鳥凛が登壇した。

1971年に公開されたロマンポルノ第1作「団地妻 昼下りの情事」の主演を務めた白川は「1滴から始まって大河になるんだという思いでこの45年を振り返りました。私の原点は『団地妻 昼下りの情事』。当時はつらいことも多かったですが、大島渚監督にがんばれと背中を叩いてもらいました」と挨拶する。風祭は「私は『団地妻』から9年後にデビューしました。私も大島監督に『役者なんて肉体労働者なんだよ。体操だと思ってやってみなさいよ。主役をやらないでどうするの』と励まされました。新しい後輩ができたことをとてもうれしく思います」とにっこり。

「ロマンポルノリブートプロジェクト」の一環として製作された「ジムノペディに乱れる」でヒロインを演じた芦那は「立ち食い蕎麦屋のシーンの撮影で、行定勲監督から『脚に表情が欲しい』と言われたのが印象的。小さな動作だけど、そういうものの積み重ねでいい映像が作られていくんだなあと思いました」とコメント。

「風に濡れた女」の間宮は「10℃以下の山の中で裸で撮影していたときに、塩田（明彦）監督がテンションが上がったのか『俺も脱ぐ！』とTシャツ姿になったんです。それから10分後にパッと見たら静かに服を着ていて……（笑）。しゃべると白い息が出るような現場でしたが、監督だけ熱かったです」と撮影を振り返り、「牝猫たち」に出演した井端は「白石和彌監督は、演技のいい悪いはほとんど言ってくれないんです。屋上のシーンで初めて『珠里ちゃーん！ いいよー！』と言われたときはうれしくて涙が出ました」と明かした。

「ANTIPORNO」の主演・冨手は「園（子温）さんに初めて会ったときに『お前脱げるか？』と聞かれて、『園さんの作品で脱ぎたいです』と答えたんです。それから1年後くらいに『お前の主演作を書いたぞ』とご機嫌に言われたんですが、そのあと急に『お母さん心配しない？』ってお父さん心を見せてきて……」と述べて観客の笑いを誘う。

そして「ホワイトリリー」の飛鳥は「中田（秀夫）監督の雰囲気がいかつくて、緊張してしまって（笑）。でもすごく親身になってくださって、リハで私が泣いてしまったときには『大丈夫だから一緒にがんばろう』と言ってくださいました」としみじみ。さらに飛鳥が「女の人とラブシーンをずっと演じていると、男の人よりいいかもって思えてきました。女性のほうが肝が据わっているし、女性って強いなあと思います」と話すと、登壇者たちから同意の声が上がる場面も。

最後に白川が「女優さんたちがあっぱれだと思いました！ 45年経つとこんなふうに変わるんだ！という驚きもありました。私は負い目を感じながらも、映画の灯を消したくないという思いでやっていたんです。当時は『ロマンポルノでダメになったらお前はトルコ（ソープランド）行きだよ』と言われたこともあって……」と告白して一同を驚かせ、「45年経ってもロマンポルノを忘れてくださらないこの時代をうれしく思います。こうやって素敵な後輩たちが出てきてくれて、私はこれで御役御免かなと思います。ありがとうございました」と観客に語りかけ、舞台挨拶を締めくくった。

「ジムノペディに乱れる」は11月26日、「風に濡れた女」は12月17日、「牝猫たち」は1月14日、「ANTIPORNO」は2017年1月28日、「ホワイトリリー」は2月11日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次上映。BSスカパー！では公開日の24時からR15+版が放送される。