本日10月15日、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町にて「
本作は、1839年に発明された写真撮影法“ダゲレオタイプ”を巡り起こる悲劇を描いたホラーラブストーリー。全編フランス語で撮影され、キャストには
黒沢は「本作は、現代の社会問題を描いたものではありません。もっと映画そのものに根ざして、映画ではこんなことも表現できる、こんな物語も扱えるんだと。映画の豊かさを感じ取っていただければうれしいです」と語った。本作で世界デビューを果たしたことに、黒沢は「大げさですね(笑)。でも、日本以外の国で撮るのは僕の夢でした。幸運だったし、実力だけじゃなく、いろんな人々との出会いがあったからこそですね」と喜びを表した。
ここでゲストとして黒沢が手がけた「クリーピー 偽りの隣人」に出演した
本作で西島を起用するなら、どんな役をやらせたいかと聞かれ、黒沢は「怪しい東洋人かな。最後には主人公のジャンに撃ち殺される役を書き足してね」と答える。それを聞いた西島は「実はこういう作品を撮りたかったんだなと感じました。黒沢さんが撮る、日本の白い壁紙で、蛍光灯でといった寒々しい世界も好きですけど、今回の青いドレスの女性、ドアや階段、壁紙といったゴシックな世界を観て、嫉妬しました」と本作の感想を述べた。
西島の発言を受け、黒沢は「撮りたかったですよ」と一言。続けて「小さい頃から好きだったんです。日本にはこういう場所はないし、無理やりセットで作ろうともしました」と明かす。さらに「今回、具体的なビジョンはありませんでした。東京の普段の暮らしの中にある世界も映画表現としては使える。でも、そこから解放された場所で、そこに普通に住んでいる人を撮りたかった。それがたまたまフランスでした」と制作の経緯を語った。
最後に西島は「僕、出てないんですけどね」と前置きしながら、「僕は溝口(健二)じゃないか!って思いました。俳優の演技も、美術も素晴らしいです。フランス映画や日本映画ファンも……。ほら、マチュー・アマルリックも出てるから『007』ファンの方など、少しでも引っかかりがある人には、ぜひ観ていただきたい」とコメント。黒沢は「これは幽霊の物語です。死んだ人と生きている人との関係をこういうふうにも描けるというチャレンジでした。皆さんの周りにホラー好きがいたら『すごいホラーだよ』って勧めていただきたいし、嫌いな人には『ホラーじゃないよ。美しい幽霊が出てくるんだ』と勧めていただければうれしいです」とメッセージを贈り、舞台挨拶を締めくくった。
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