カナダ現地時間9月11日、第41回トロント国際映画祭で「
10月15日より日本で公開される「ダゲレオタイプの女」は、1839年に発明された写真撮影法“ダゲレオタイプ”を巡って起きる悲劇を描いたホラー。上映前の挨拶に1人で登壇した黒沢は「初めて海外で撮った作品が、大好きなトロント映画祭でワールドプレミアを迎えることができ、なおかつ、このような歴史のある劇場で上映できるとは本当に夢のようです」と、100年以上の歴史を持つ会場のウィンター・ガーデン・シアターについて触れながら思いを述べる。続けて「その夢を一緒に実現してくれたタハール・ラヒム、コンスタンス・ルソーです」と2人を舞台に呼び込むと、客席から大きな歓声が上がった。
上映後、鳴り止まない拍手の中3人が再度登場し、観客との質疑応答を実施。キャスティングについて質問を受けた黒沢は「主役のキャストは、日本にいるときから自分の中では、タハール・ラヒムとコンスタンス・ルソーしかいないと思っていました。合計50人ほどの男優、女優に会いましたが、やはりこの2人だと決めました」と答える。また、舞台となる屋敷については「パリ郊外で非常に苦労して探しました。結果的には、3つの場所を組み合わせて1つの屋敷に見えるようにしています」と明かした。
アスガル・ファルハーディー、ロウ・イエといった諸外国の監督とタッグを組んできたラヒムは「言葉の通じない外国人の監督と仕事をするのは、ときには難しいこともありますが、黒沢監督との仕事は非常にスムーズに進みました。監督は明確なビジョンを持っていて、なおかつ、役者に対して非常に敬意を持って接してくれる素晴らしい方です」と黒沢を絶賛する。
また、長い露光時間を必要とするダゲレオタイプの撮影シーンでの苦労を聞かれたルソーは、「本当のダゲレオタイプの撮影ではありませんでしたが、8分ほどまったく動かずにいなければなりませんでした。あの8分間は自分の人生の中で最も長い8分間でした」と語った。
トロント国際映画祭は9月18日まで開催。「ダゲレオタイプの女」は、同映画祭で唯一の賞対象部門であるプラットフォーム部門に出品されている。
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