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是枝が原案、脚本も手がける本作は、いくつになっても大人になりきれない男と、彼を深い愛で包み込むその母親を軸にしたホームドラマ。妻に愛想を尽かされた自称小説家・良多役の阿部は「ここまでダメダメな男を演じたのは初めてです。でもこういう男って、憎めなくてかわいいなと思いながら楽しんで演じました」と振り返る。一方、その母・淑子を演じた樹木は「阿部寛くんのような似ても似つかない息子を産んだ樹木希林です」と挨拶し、観客の笑いを引き出す。
第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門の正式招待作品に選出された本作。そのことについて是枝は「特別な場所なので本当にうれしいです」と述べ、「皆さんの周りでも起こるような出来事だけで作られた小さな物語が、大きな映画祭で上映してもらえるなんて」と笑顔を見せる。初めて同映画祭に参加するという阿部は「この作品で参加できることに誇りを感じています」とコメント。「団地の狭い空間で撮影をしたんですが、その距離感が僕には面白かったです。それが海外の人にどれぐらい伝わるのか今から楽しみです」と言葉を重ねた。
阿部の言葉に対して樹木は「うちの息子はね、世が世ならローマ風呂に入っているような人なの」と阿部の主演作「テルマエ・ロマエ」にかけた発言をし、会場を笑いで包み込む。MCから同作のことを思い出したかと聞かれた阿部は「団地の風呂はすごいちっちゃくて、全然思い出さなかったです」と返答し、樹木の言葉に笑いをこらえ切れない様子を見せる。
是枝が9歳から28歳まで暮らした東京・清瀬の旭が丘団地で撮影された本作。そのことについて話を振られた是枝は「ほかの団地で撮影の許可が下りず、やむを得ず自分の暮らしていた団地になりました」と苦笑い。樹木は撮影時を振り返り「『是枝くん、偉くなっちゃったわね』と団地の人に言われてたわよね」と裏話を語った。
最後の挨拶で阿部は「是枝さんの作品にまた出られて夢のようでした。この良多というキャラクターが自分の演じた役の中で一番好きな人物になりました」と述懐し、「セリフがないところでもいろんな人の生き方が描かれているようで感動しました」と作品への思いを明かした。
「海よりもまだ深く」は、5月21日より東京・丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー。
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阿部寛が樹木希林の“ローマ風呂”イジりにタジタジ、「海よりもまだ深く」完成披露 - 映画ナタリー https://t.co/WVOfn9uvvR 樹木「うちの息子はね、世が世ならローマ風呂に入っているような人なの」 阿部「団地の風呂はすごいちっちゃくて…」 #danchi