北杜夫の児童文学をもとにした本作は、兄の家に居候し、床に寝転がってマンガばかり読んでいる“おじさん”が、お見合いで出会った美女を追いかけてハワイへ旅立つさまを描く。松田がおじさん役を務め、彼を見守る甥の雪男をドラマ「ゴーイング マイ ホーム」の
そして真木が扮するのは、おじさんが一目惚れする本作のマドンナ・稲葉エリー。ハワイ在住の日系四世という役どころだ。山下作品に出演するのはドラマ「週刊真木よう子」以来8年ぶりとなる真木は、映画では初となる英語の長ゼリフにも挑戦した。本作の撮影は2015年10月5日に都内で開始され、10月末からはハワイでのロケを敢行。真木は「ハワイに行く前はとても不安でしたが、最終日には帰りたくなくなってしまうほど満喫できました(笑)」と振り返っている。さらに役に関しては「エリーは典型的な“ザ・マドンナ”。これまで経験したことがないほどイメージのはっきりした役柄だったので、なるべく自分の色を出さず、監督の指示に従いながら台本に対して忠実に演じるよう心がけていました」と話す。
また山下は、真木の演技について「芯があって明るい女性という“陽”の部分だけでなく、ハワイの日系四世であるという揺れ動くアイデンティティの“陰”の両方を真木さんは演じてくれて、僕も掴み取れていない複雑で繊細なエリーを見事に体現し、深みを増してくれました」とコメントを寄せている。
真木よう子 コメント
ハワイに行く前はとても不安でしたが、最終日には帰りたくなくなってしまうほど満喫できました(笑)。ハワイの快晴続きの天気はもちろんですが、日本と違って空も広く、ただそこにいるだけで気持ちが朗らかになれました。
エリーは典型的な“ザ・マドンナ”。これまで経験したことがないほどイメージのはっきりした役柄だったので、なるべく自分の色を出さず、監督の指示に従いながら台本に対して忠実に演じるよう心がけていました。エリーという女性に自分を近づけていく過程は難しくもありましたが、ハワイ育ちのカラッとした性格の彼女は演じていて楽しかったです。山下監督は、こちらの集中力が切れていると直ぐに見破ってしまう怖い監督なんです(笑)。でもそれだけ熱心であり、その情熱が現場にも伝わるので、緊張感のある雰囲気のいい現場を作り上げてくださる方ですね。松田龍平さんの演じたおじさんは、すごく素直で、見ているだけで面白い人! おじさんの役にぴったりだなって思います(笑)。
山下敦弘 コメント
一言で表すとエリーは、おじさんにとって“太陽”のような存在。そんなエリーを真木さんは全力で演じてくれました。芯があって明るい女性という“陽”の部分だけでなく、ハワイの日系四世であるという揺れ動くアイデンティティの“陰”の両方を真木さんは演じてくれて、僕も掴み取れていない複雑で繊細なエリーを見事に体現し、深みを増してくれました。とても真木さんらしいエリーになったと思います。
須藤泰司(脚本・企画) コメント
エリーは原作にはないキャラクターですが、彼女を通じて原作の大切な部分でもある、太平洋戦争が始まって苦労した日系人の人々、戦争の爪痕の描写を映画に入れようと思いました。原作同様、それが押しつけがましくならない範囲で、エリーから日系人がたどった歴史が見えるような、覚悟ある女性にしました。彼女の存在によってぼくとおじさんのハワイでの珍道中だけでなく、ドラマとしても楽しめるように、王道のラブストーリーのおじさんのロマンスが生まれたと感じております。
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