本日3月14日、「
本作は、室生犀星の短編小説を原作とする文学ドラマ。金魚から人間へと姿を変貌させる少女・赤子と、彼女とともに暮らす老作家のふれあいをエロティックに描く。
劇中に金魚が登場することにちなみ、約1000匹の金魚が泳ぐ金魚鉢形の巨大な水槽をバックに行われた本イベント。石井は「原作は人間の女の子になった金魚と老作家の会話が面白いし、幽霊も出てきたりして謎が多いんです。映画化は難しいんじゃないかと思ったけど、チャレンジ精神に火をつけられましたね」と製作の経緯を語る。また、原作を愛読していたという二階堂は「文学的で言葉がキレイ。映画化されたこの作品を純粋に観たいという気持ちと、作りたい気持ちがずっとあって。完成した映画を観たときは胸がいっぱいになりました」としみじみ。
老作家と赤子の関係を、大杉は「すごくかわいらしい話なんです。老作家が少年に戻っていく姿に共感する部分があって、もう1回初恋をしたような感じがあります。切なさ、哀れみ、愛おしさ、あと滑稽なところもある。キラキラしていて、すごくいいなと思いました」とコメント。そんな大杉について、二階堂が「大先輩なんですが、一緒のラインに立ってくださるんです。大杉さんがたくさん引き出しを開けてくださって赤子ができあがりました。素敵な男性です」と話すと、大杉は照れた様子を見せながら「二階堂さんの作品をたくさん拝見していたので共演できてうれしかったです。撮影は『なんだ終わっちゃうのか』って思うくらい、いい時間でした」と振り返る。
永瀬は「(出演を依頼されたときは)やった! 石井監督に声をかけていただいた!って思いました。室生さんの世界を石井監督が撮るというので、ぜひ現場に参加したくて」と述べる。また石井の「気が合う俳優といい仕事をしたいといつも思っているのですが、タイミングがなかなか合わないんです。永瀬さんとこうやってご一緒できたことは、映画の神様に感謝したいですね」との言葉に、永瀬は「あまりにも光栄です!」と顔をほころばせた。
さらに石井は「二階堂さんは完全に赤子さんになりきっていた。赤子はだんだん変化していく役ですが、そのときどきのいろんな魅力を見事に表現してくれました。『放浪記』のときの高峰秀子さんに見える瞬間もありましたね。若いですけど、もう大女優さんという感じがします」と二階堂の演技を絶賛。それを受けて二階堂は「高峰さんは日本映画の女優さんの中で一番好きな方なのでうれしい。がんばります」と瞳を輝かせる。
話題は二階堂がソファに寝そべる場面を切り取ったメインビジュアルへ。石井は「バルテュスの絵が好きなんです。その絵を真似て、赤子が美しく見えるようにと細かく(演出した)」と明かす。それを聞いた大杉が「僕がこれをやったらどうですかね? エゴン・シーレみたいになるんですかね?」と挟み、観客の笑いを誘う一幕も見られた。
続いて二階堂と共演した感想を、大杉が「二階堂さんは逃げないで向き合ってくれる方」と、永瀬が「可能性の塊みたいな方ですね。今後もいろんな役の顔を見せてほしいし、僕もそこに関われたらいいなと思います。大杉さんのエゴン・シーレも見てみたいです!」と話し、大杉が「もっと痩せます(笑)」と宣言するなど、終始和やかに舞台挨拶は進行していった。
最後に、石井は「豊かな作品をベストなスタッフ、キャストとともに作れたと思います」と本作への自信をのぞかせる。二階堂は「思い続けていた作品がこうやって形になって、皆さんにお届けできることが幸せです。ぜひ作品の世界に浸っていただけたらうれしいです」と挨拶し、イベントを締めた。
「蜜のあわれ」は4月1日より全国でロードショー。
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- 「蜜のあわれ」公式サイト
- 「蜜のあわれ」予告編
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獅子十六 @ssruirui
丸ビルの試写会同様、ふみちゃんが物凄く疲れて眠そうなのが、なによりも作品自体の評価をを物語っている。五条霊戦記と同感触と書くと石井監督好きには分かりやすいか。 https://t.co/utm0qCen1U