山下敦弘「カンヌは遠い」とぽつり、松江哲明と「ディーパンの闘い」語る

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ディーパンの闘い」の特別試写会が1月27日、東京・ユーロライブにて行われ、上映後のトークショーに映画監督の山下敦弘松江哲明が登壇した。

「ディーパンの闘い」特別試写会の様子。左から山下敦弘、松江哲明。

「ディーパンの闘い」特別試写会の様子。左から山下敦弘、松江哲明。

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「ディーパンの闘い」日本版ポスター

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「君と歩く世界」「真夜中のピアニスト」のジャック・オディアールが監督を務めた本作は、第68回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを受賞したヒューマンドラマ。内戦下のスリランカを逃れてフランスにやってきた3人の難民が、擬似家族を形成し困難に向き合っていくさまを描く。

山下敦弘

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「気持ちのいい高揚感」と鑑賞後に感想を述べた山下は、「クライマックスが意外なところに着地して、映画に対する最初の印象と出口が違っていたという面白さを久しぶりに堪能しました」とコメント。松江も「難民問題やPTSD(心的外傷後ストレス障害)といった現代的な問題から入っておいて、出口にはいろいろな要素が入ってきた。非常にボーダーレスな感じでよかったですね」と興奮気味に語る。

国際的な問題が描かれていることに対して山下は「最初のスリランカのシーンを観たときは、これは重い映画に違いないと思って。きちんと資料を見ておけばよかったなと後悔した」と鑑賞時を振り返る。続けて「でも監督の狙いはそこじゃないんだろうなと。3人がパリに渡ってからは、これはどうやら家族がヨーロッパ中を転々とする話なのかなと思ったのですが。しばらくするとそれも違っていたことに気付き……。予想を見事に裏切られ続けて、そのまま最後まで引っ張られたという感じです」と感心した様子を見せた。

松江哲明

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本作がパルムドールを受賞したことに話がおよぶと、松江は「カンヌ映画祭というのは、新しい映画を見つける場なんだなと思いました。新しい映画のスタイルだったり、語り口だったり。世界の現状も影響するんでしょうね。そこに政治性が入るのは当然だと思います」と同映画祭のあり方を解説。その後、同映画祭で本作と競い、グランプリを獲得した「サウルの息子」にも触れながら「ちょっとスタイルを変えるだけで、僕らがまだまだ気付かない視点があるなと思いましたね」と話す。その言葉に山下は「僕の映画には社会性がないもんな。まだまだカンヌへの道は遠いですね……」としみじみ語り、会場の笑いを誘った。

「ディーパンの闘い」は、2月12日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開される。

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(c)2015 WHY NOT PRODUCTIONS - PAGE 114 - FRANCE 2 CINÉMA

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