ジャック・オディアール、カンヌ最高賞「ディーパンの闘い」演出について語る

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第68回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した「ディーパンの闘い」。このたび、監督のジャック・オディアールと、主演を務めたアントニーターサン・ジェスターサンのコメントが到着した。

「ディーパンの闘い」

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「ディーパンの闘い」インターナショナル版ポスター

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スリランカ内戦から逃れてフランスへ渡った難民ディーパンを演じているジェスターサンは、実際にスリランカ反政府組織で少年兵として戦った経歴を持っている。オディアールはディーパン役にジェスターサンを選んだ理由について、「傷だらけの肉体に宿る、ある種のチャーミングさ、無頓着さに惹かれた」と述懐。「ただ早い段階で、それだけではだめだと気が付いたんだ。ジェスターサン本人とは違う立ち姿、もっと堂々たる雰囲気が必要だった。ゴミ箱を押して移動させるときも、戦士のように押してほしかった」と語る。

「ディーパンの闘い」

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また、フランス語を解さない俳優たちの演出について、これまでとはまったく異なるアプローチを試みたというオディアール。「プロの俳優ではない彼らは、シナリオに根差すよりも、その場で自然にやり取りをしながら作っていったほうがやりやすいように感じた。現場で彼らの意見に耳を傾けながら作品を作り上げていったんだ」と明かし、「言葉で理解し合えないというのは素晴らしいことだ。演技指導という決まりごとが空疎に思えるほどのことを学んだよ」と述べる。

「ディーパンの闘い」

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ディーパンと同様、フランスに逃れてきた過去を持つが、現在は作家として活動しているジェスターサン。置かれた状況や直面した問題においては自身とディーパンに共通している部分があることを認めつつ、「もし自分だったら、あの状況では違う行動を取っていたでしょう。彼の中には、まだ兵士のメンタリティが存在しています。ディーパンの中にはまだ凶暴性が残っている。私はフランスに来る前に、兵士としての人生はスリランカに埋めてしまいました」と打ち明けている。

「ディーパンの闘い」は、2月12日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

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(c)2015 WHY NOT PRODUCTIONS - PAGE 114 - FRANCE 2 CINÉMA

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