本日11月14日、「
「恋人たち」は、通り魔殺人事件で妻を失った男・アツシ、姑と夫との平凡な暮らしのさなか突如現れた男に心揺れる主婦・瞳子、親友への思いを胸に秘める同性愛者の弁護士・四ノ宮の姿を描く人間ドラマ。橋口にとっては2008年の「ぐるりのこと。」以来の長編監督作となる。
橋口が「7年経ってやっとここまで戻ってこれました」と挨拶すると、客席からは大きな拍手が。そしてアツシ役の篠原が「皆さまが日常の中で少しでもこの映画を話題にしてくださったら」とコメントしたのを皮切りに、キャストたちはそれぞれ本作への思いを述べていく。
2013年に行われたワークショップの受講者をメインキャストに起用し、撮影された本作。俳優たちについて、橋口は「最初はまあできないできない。それで日活ロマンポルノの照明担当の方に相談したら『橋口さん、そんなのねえ、裸にして吊るせばいいんだよ!』と言われて(笑)。さすがに吊るしはしませんでしたけどね」と述べ、客席を笑わせる。続けて橋口は「アツシが泣く場面なんて、難しいから『今日は撮れないかなあ、デジカメを持って(篠原と)2人でこもるしかないかなあ』と思っていたんです。でも現場のみんながずっと見守ってくれていて。スタッフ、キャストが映画に献身してくれたおかげで撮れました」と、本作に携わった人々をねぎらう。その言葉を受けて、篠原は「撮影の終盤に監督が『お前ならやれると思うんだよな』って言ってくださったことがあって。あの監督の言葉や、現場の皆さんの一押しがあってできたと思います」と語った。
本作の封切りに先駆けて、全国で舞台挨拶つきの先行上映を実施し、各地を訪れた橋口と篠原。橋口は「篠原くんのご家族が観にきてくれたんです。普段は(篠原と)口をきかないような弟が、上映後に目を真っ赤にしてこちらへ来て『兄貴をありがとうございました!』って言ってくれたんです。ほかにも声をかけてくださる方がいらっしゃって。映画を作る喜びってこういうところにあるのかなと感じました」としみじみと語った。
終盤にはプロデューサーの深田誠剛が登壇し、橋口へ花束を贈呈する。顔をほころばせた橋口が「いろいろあった僕に、深田さんが『もう一度映画をやろうよ』って声をかけてくださったことがきっかけで、ワークショップが始まり彼ら(キャストたち)と出会いました。数年前の僕の状態からしたら、夢のようです」と感謝の意を表すと、会場はまたも温かな拍手に包まれ、舞台挨拶は終了した。
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橋口亮輔「ここまで戻ってこれました」、7年ぶり長編監督作「恋人たち」初日挨拶 - #映画 ナタリー https://t.co/Z1TZAk0S0z
監督の橋口亮輔とキャストの篠原篤、成嶋瞳子、池田良、安藤玉恵、黒田大輔、木野花が登壇