左から「ゴジラ-1.0」ポスタービジュアル、ピザーラ創業者の淺野秀則。

「ゴジラ-1.0」をもっと楽しむ!ゴジラ+1.0(プラスワン) 第4回 [バックナンバー]

ピザーラの“ラ”はゴジラの“ラ”、由来の秘密をピザーラ創業者に聞いた

ゴジラ好きにお薦めのピザメニュー、「ゴジラ-1.0」の感想も

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1987年4月17日、東京・目白に1号店がオープンし、その後全国に展開していった宅配ピザチェーンのピザーラ。実はピザーラの“ラ”はゴジラの“ラ”が由来だという。なぜゴジラを選んだのかが気になった映画ナタリーは、創業者の淺野秀則にインタビューを実施。ゴジラ好きにお薦めのピザメニューや、現在公開中である「ゴジラ-1.0」の感想も聞いた。

取材・/ 小澤康平

棚の一番下にゴジラが見えた

──ピザーラの“ラ”はゴジラの“ラ”だと知ってすごく驚いたのですが、なぜゴジラを選んだのでしょうか?

ピザーラの1号店をオープンさせた1987年より前は、目白の駅前でレンタルビデオ店を営んでいました。どの映画を仕入れるか考えていたとき、リストの中に「E.T.」があって、一度は観ていたものの何本仕入れるかを決めるために、早稲田松竹でやっていた再上映を観に行ったんです。映画はもちろんよかったんですが、子供たちがピザをデリバリーするシーンを観て「これだ!」と思って。それからピザの研究に打ち込んでいくんですが、知識も技術もないのでうまくいかず、恵比寿に1号店があったドミノ・ピザにフランチャイズでやらせてもらおうと電話を掛けたものの、直営店のみとのことで断られてしまいました。やっぱり自分でやるしかないなと一念発起し、日本人向けのピザを作ろうと思ったのが始まりです。名前はクイーンズピザ、キングスピザなどいろいろ考えたんですが、すべて商標を取られてしまっていました。それで、とぼとぼとレンタルビデオ店に帰ってドアを開けたら、棚の一番下にゴジラ(の写ったレンタルビデオのパッケージ)が見えたんです。そのときに「やっぱりゴジラだよなあ」と。

ピザーラを運営するフォーシーズの入り口には、ゴジラのパネルが置かれていた。

ピザーラを運営するフォーシーズの入り口には、ゴジラのパネルが置かれていた。

──もともとゴジラはお好きだったんですか?

好きでした。僕は1953年生まれで、「ゴジラ」の公開は1954年と、“同世代”なんです。1作目は確か高円寺の小さな映画館で観たんですが、そのあとに自分1人だけがゴジラから逃げられない夢を見たりして(笑)。僕らの時代はテレビの全盛期でしたが、やっぱり映画館はワクワクしますよね。

──ピザ+ゴジラだとピザラになりそうだなと思ったんですが、音引きを入れたのには何か理由が?

なんとなくピザラだとかわいすぎると感じたのと、ピザーラのほうがよさそうと妻も賛成してくれて。イタリア語だとどういう意味になるんだろうとイタリア大使館に聞きに行って、「そういう言葉はない」と言われたこともあったんですが(笑)、造語でもいいと思って始めることにしました。1987年4月に1号店をオープンしたあと、義弟の家族とロサンゼルスで会った際に「LAってロサンゼルスのことだよね?」と聞かれて、それもいいかと思って由来を黙っていたこともありましたね(笑)。本当は「ゴジラのように世界中の皆様に愛される店になってほしい」という願いを込めています。

──淺野さんは過去のインタビューでも、ピザーラの“ラ”がゴジラの“ラ”であることを公言されていますが、今回の「ゴジラ-1.0」とのコラボ(※編集部注:コラボは11月30日で終了)でより多くの人に広まった印象があります。

僕はSNSをあまりやらないので実感はないんですが、娘からすごい広がり方をしていると教えてもらいました。びっくりしましたし、非常にありがたいです。

──ちなみにゴジラファンにお薦めのピザメニューはありますか?

カレーモントレーです。僕は“火を吹くおいしさ”と表現しているんですが、1回食べたら忘れない、脳裏に残る味と言いますか。ベーコンやポテトをオリジナルのカレーソースと合わせていてボリュームも満点です。火を吹くと言ってもそこまで辛くはなくて、おそらく日本で初めてカレーを使ったピザだと思います。

カレーモントレー

カレーモントレー

銀座はこういう感じだったんだなと腑に落ちた

──公開中の「ゴジラ-1.0」も鑑賞済みだそうですが、いかがでしたか?

「シン・ゴジラ」もよかったですが、トーン&マナーが違っていて今作も素晴らしかったです。人間ドラマが濃厚で泣きましたね。底から来るような地響きなど音の演出も迫力がありましたし、山崎貴監督によるVFXも観たことがない映像を作り出していました。

──淺野さんは、ヨット好きの子供たちを応援する日本オプティミストディンギー協会の会長も務めていますが、船のシーンはいかがでしたか?

船をどう移動させるかなど、ヨットに乗る人だと「なるほど」と思うような構図が出てきて興奮しました。今回気圧の話もありましたが、スキューバダイビングをやっている人じゃないと思い付かないようなアイデアだなとか。

──海のシーンはプロの方の意見を聞きながら制作していったそうです。

やっぱりそうですよね。あと僕は戦後すぐの光景を実際には見ていませんが、子供の頃に話は聞いていて。「ゴジラ-1.0」を観て、銀座はこういう感じだったんだなと腑に落ちましたし、山崎監督をはじめとするスタッフさんが時代考証を重ねて作ったことが伝わってきました。放射熱線を吐くときの背びれの演出もインパクトがありましたし、めちゃめちゃ怖くてリアルなゴジラを堪能させていただきました。

「ゴジラ-1.0」ビジュアル

「ゴジラ-1.0」ビジュアル

──「ゴジラ-1.0」とのコラボは11月30日で終了しましたが、今後もゴジラと一緒に何かをやっていきたい気持ちはありますか?

2024年には「ゴジラvsコング」続編(※編集部注:原題は「Godzilla x Kong: The New Empire」)の公開がありますし、いろいろなことにチャレンジしていきたいですね。

淺野秀則(アサノヒデノリ)プロフィール

1953年生まれ、東京都出身。ピザーラ、ジョエル・ロブション、柿家すし、TO THE HERBS、クア・アイナなどを運営するフォーシーズの代表取締役会長兼CEO。東京商工会議所 副会頭。ヨット好きの子供たちを応援する日本オプティミストディンギー協会の会長でもあり、ヨット歴は30年以上。

フォーシーズ コーポレートサイト
ピザーラ 公式サイト

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