第2回「
「森光子の奨励賞」は一般財団法人、森光子芸能文化振興財団が主催する賞。「放浪記」で同一演劇作品の単独主演記録を打ち立てた森と同様に、ひとすじの道を追求する人を奨励すべく2015年5月に創設された。市村は40年以上にわたる俳優活動、北島は4度ものオリンピックでの功績と挑戦し続けるその姿勢が、この度の受賞理由となった。
第2回の贈賞式は森の親友である黒柳徹子がプレゼンターを務め、式典は終始親しみに満ちた空気の中、和やかに進行した。冒頭には、第1回受賞者の
黒柳に呼び込まれ表彰盾と賞金を受け取った市村は、「僕が森光子という女優を知ったのは、子どもの頃です。『時間ですよ』というテレビ番組が大好きで、いつも自分のお母さんのような気持ちで見ていました」と役者・森光子との出会いを明かす。「今回この奨励賞をいただくにあたり事務所の社長さんから、森さんが生きていた頃、僕と2人で外国のミュージカルを見つけて一緒にやりたいとおっしゃっていてくれたと聞いて、『なんでもっと早く言ってくれなかったのか、すぐできたのに!』と思いました」と残念そうに笑う。
続けて「今『ミス・サイゴン』がファイナル公演なんですけど、この奨励賞をもらったことで、90歳までエンジニアをやっていいんだと保証してもらった。目標は90歳に帝劇の舞台で『アメリカン・ドリーム』を歌う!」と高く足を上げ、会場からは歓声と拍手が起こった。さらに記者が、妻の
今年2016年4月に現役を引退した水泳選手の北島は、「僕の第2の人生を応援してくれるという意味で、この賞をいただいたと思っています」と挨拶。「僕の実家が肉屋をやっていまして、(森さんが)メンチサンドをおいしく食べてくださったというのを聞いて、2009年の4月に『放浪記』の稽古場に遊びに行かせていただき、ご挨拶させていただきました。僕が現役を続けるか迷っていたときに、『続けてがんばってね』と言葉をかけてくださったのを、今でもはっきりと覚えています」と振り返り、日本の水泳界のみならずスポーツ界に、「今後貢献できたらいいなと思っております」と意気込んだ。
プレゼンターを務めた黒柳は、「この帝国ホテルは私と森さんのデートの場所で、いつもカレーとシーザーサラダを食べるのを楽しみにしておりました。最後に森さんからいただいたFAXに『今リハビリをしています。それは徹子ちゃんと帝国ホテルでデートするためです』と書いてあったのが最後でした」と当時を懐かしむ。
さらに森との思い出について、「私はパンダという動物を小学校のときから研究してました。世の中の方はどなたもパンダをご存じなくて、『変な動物を研究している』と言われていたんですけど、森さんただ1人だけが私の話をちゃんと聞いてくださった」とエピソードを明かす。「カンカンとランランが来たときに、上野動物園に森さんをお連れしてパンダを紹介してあげました。森さん、『徹子さんと一緒にパンダ見たわねー』ってよくおっしゃってた」と目を細める。そして「森さんに会いたいなってすごく思います」と森を偲び、隣の市村も深く頷いた。
表彰盾文言
市村正親殿
四十年以上にわたり、その心からの演技で観客に感動を届けつづけた功績が
「森光子の奨励賞」に該当するものと認め、これを賞します。
森光子は、九十歳まで林芙美子を演じましたが、
貴殿の、齢六十七にして美しく上がるその足も、大いに讃えるものであります。
叶うならば、当たり役エンジニアを、いついつまでも演じられることを
森本人に成り代わり、ここに願うものであります。
北島康介殿
四度ものオリンピックにて、華々しい成績を収めたことのみならず挑戦し続ける己の姿を以て後輩を導き続け、
日本水泳界の反映に大きく寄与したことが
「森光子の奨励賞」に該当するものと認め、これを賞します。
ご実家の美味しいメンチカツサンドを、「放浪記」の稽古場へ届け、
挑戦する森光子を、大いに元気づけてくださったことを
森本人に成り代わり、お礼申し上げます。
lapuamama @lapuamama1
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