NICO初の全国ツアーファイナルでBLITZを圧倒
2008年12月17日 17:08 4
1stフルアルバム「Who are you?」に伴うレコ発ツアーとして11月8日の柏ZaXからスタートした今回のツアーは、追加公演を含め全公演が即日完売。この日の公演にも各地から多くのファンが集まり、2階席に立見が出るほどの盛況ぶりとなった。
フロアの熱気が飽和した頃、客電が静かに落ち4人が登場。前日12月13日にも同じステージに立っていたためか、適度な緊張感とリラックスした雰囲気が混ざり合う中、ライブは「(My Sweet)Eden」で幕を明けた。続いて光村龍哉(Vo,G)の「踊ろうぜ!」という叫びとともに始まった、客席のハンドクラップなしには成り立たない「バニーガールとダニーボーイ」でペースをつかんだ彼ら。そのまま「そのTAXI,160km/h」になだれ込むと、目がくらむような照明を浴びながら轟音でフロアを圧倒していった。
一旦挨拶を挟み、肉感的なビートとギターのうねりの応酬が印象的な「SIMON SAID」でシリアスなムードに。そして「この場所にふさわしい曲をやります」と前置きをした後、赤坂にある一ツ木通りが歌詞に登場する「image training」を披露した。「泥んこドビー」では光村と古村大介(G)が向き合いギターセッションを繰り広げ、曲の途中で「シーズンは終わりましたが、まだWBCが残ってます!応援よろしくお願いします!」と野球好きな一面をアピール。さらに光村はオーディエンスとのコール&レスポンスを満喫したかと思えば、坂倉心悟(B)と古村にマイクを向け歌わせたりといつになく自由にライブを楽しむ様子を見せる。古村は終盤でスピーカーに登る暴れっぷりで、ギタリストとしてだけではなくパフォーマーとしての成長も伺わせた。
MCではメンバー全員がツアーを振り返りながら思い出を語る場面も。坂倉はツアー中に座骨神経痛を患い接骨院の常連になってしまったことについて言及。北海道生まれの古村は、札幌公演に母親を招待したエピソードを語り、まだ一度もワンマンライブに招待していない父親と祖母をより大きな会場に連れてくることを誓った。一方、対馬祥太郎(Dr)は「ツアー中の一番の思い出は船でした……」と遠い目をしながらツアーを回顧。北海道に向かうためフェリーに乗り込む際、ボードゲームなど機材以外の荷物を詰め込みまくっていたというエピソードを披露した。それを受け、光村はツアー中におもちゃが増えすぎて最終的に車の半分が占められてしまったことを失笑しながら語った。
ひとしきり会場を和ませた後、後半戦は普段のライブでは披露されないという「雲空の悪魔」からスタート。坂倉の太いベースが曲リードする「有言不実行成仏」では、ツアーで味をしめたという地方ネタ満載のコール&レスポンスも展開。楽曲とまったく脈絡のないやり取りでファンを大いに盛り上げた。
そしていまやライブには欠かせない「THE BUNGY」で会場の熱狂はピークに。軽やかなステップを踏みながら、ブルージーなギターフレーズを爪弾く古村、屈強なグルーヴを生み出すリズム隊、そして何度もシャウトしながら煽る光村のボーカルに呼応するように、フロアから熱気が立ち上る。本編ラスト「Broken Youth」ではイントロがダイナミックに響いた瞬間、ステージ後方の壁を覆っていた幕が落ち、NICO Touches the Wallsのロゴをあしらったタペストリーが出現。会場からはどよめきと歓声が沸きあがった。
アンコールで光村は「今日で本当に(ツアー)最終日かぁ」と呟きつつも、センチな気分を吹き飛ばすように「武家諸法度」で再びテンションを上げる。切り裂くようなサウンドとエッジの効いたボーカルで激しい側面を見せつつも、間奏で「少し早いですが、ギタリストがクリスマスプレゼントを持ってきました」と光村がアナウンス。古村がギターで「ジングルベル」を観客にプレゼントする微笑ましいサプライズもあった。
「デビュー前から赤坂のNOAHっていうスタジオで練習していて、スタジオからずっとBLITZができる様子を見てきました。いつかBLITZが完成してそこでライブができる日が来たらNOAHで朝練をしてからライブをしようと言ってて、昨日は実際にしてきたんだけど。でも、まさか初BLITZがワンマン2DAYSになるとは思わなかった」と感慨深く語った光村。「(ツアー中は)アップダウンもあったけど、ツアーが始まる前と今では全然違う僕らがいて。でもまだまだ一皮も二皮も剥けられると思うので、またパワーアップして皆さんと会えたら」と新たな目標をファンを前で宣言した。
アンコール2曲目はアルバムにも収録されている「エトランジェ」を、一音一音噛み締めるように演奏。残響がかすかに会場を包む中、楽器を置いた4人は手をつなぎゆっくりと客席に向かってお辞儀をした後、笑顔を浮かべながら舞台を去った。
10月のSHIBUYA-AXワンマンライブでは手探り状態だったアルバムの楽曲を、ツアーによって格段にレベルアップさせた彼ら。しかし、堂々としたパフォーマンスを見せつつ、もっと大きいところでライブができるようになりたいと口にするなど今の状態がバンドにとって通過点であることを伺わせ、今後のNICO Touches the Wallsのさらなる飛躍を期待させる一夜となった。
NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls TOUR2008 Bon voyage , Etranger」
2008年12月14日 赤坂BLITZ セットリスト
01. (My Sweet)Eden
02. GANIMATA GIRL
03. バニーガールとダニーボーイ
04. そのTAXI, 160km/h
05. SIMON SAID
06. image training
07. 泥んこドビー
08. 夜の果て
09. 葵
10. 雲空の悪魔
11. anytime, anywhere
12. アボカド
13. B.C.G
14. 有言不実行成仏
15. THE BUNGY
16. Broken Youth
17. 武家諸法度
18. エトランジェ
NICO Touches the WallsのTV・ラジオ出演情報
リンク
- NICO Touches the Walls
- NICO TOUCHES THE WALLS : OFFICIAL WEB SITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
かい @bakakai0717
この写真とか見たらみっちゃん以外顔出しNGのバンドなのか?と思っちゃうわ
https://t.co/UYir297t5K