スカパラ21周年を奥田民生、クリケイ、斉藤和義が祝福

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東京スカパラダイスオーケストラの“デビュー21周年キックオフライブ”となるアニバーサリー公演「東京スカパラダイス体育館」が、4月24日に東京体育館で行われた。

Crystal Kayが階段から降りる際に谷中が彼女の手をとってエスコートし、場内からは歓声が起こる。それを見た民生が「何その個人プレイは! チームでしょ!(笑)」と抗議する一幕も。

Crystal Kayが階段から降りる際に谷中が彼女の手をとってエスコートし、場内からは歓声が起こる。それを見た民生が「何その個人プレイは! チームでしょ!(笑)」と抗議する一幕も。

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20年の歴史を振り返るセットリストで展開された国技館ライブと対照的に、「今のスカパラ」を象徴する内容となった体育館ライブ。新曲を中心としながらレアなナンバーも披露され、新旧各世代のファンを楽しませた。

20年の歴史を振り返るセットリストで展開された国技館ライブと対照的に、「今のスカパラ」を象徴する内容となった体育館ライブ。新曲を中心としながらレアなナンバーも披露され、新旧各世代のファンを楽しませた。

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昨年デビュー20周年を迎え、この締めくくりとなるライブ「東京スカパラダイス国技館」を3月に両国国技館で開催したスカパラ。新たなスタートを切るための21周年キックオフライブにも多数のファンが詰めかけ、会場には熱気と期待が充満した。

オープニングでメンバーは全員ステージ後方から登場。高い位置にダークグレーのスーツ姿の9人が並んで立ち、ポーズを決めると会場から割れんばかりの大きな拍手が鳴り響く。そしてGAMO(T.Sax)の「Here we go!」というかけ声とともに1曲目「Boppin' Bunny」が始まった。さらに「White Light」が続き、場内のテンションも急上昇。体育館という会場にふさわしい「A Song for Athletes」ではメンバーとともに熱唱するファンの姿も多数見受けられた。最初のMCで谷中敦(B.Sax)は「今日は来てくれてありがとう! いい天気だよね、天気にもありがとうだよ(笑)。今日は体育館ということで、思いっきり跳ねて暴れて、戦うように楽しんでくれよ!」と挨拶。オーディエンスの期待をさらに高めた。

次のパートでは最新アルバム「WORLD SKA SYMPHONY」のナンバーを連続で披露する。華やかながらも心地よいホーンの音で酔わせる「WORLD SKA CRUISE」、沖祐市(Key)の奏でる美しいピアノが印象的な「明鏡止水」で、会場の空気も一度クールダウン。その直後「STORM RIDER」ではステージ上に何本もの火柱が上がり、楽曲の世界観を演出。再び熱い空気を会場内に生み出した。

「熱いぜ! ヤケドしそうに熱いぜ!(笑) 21周年、キックオフしました。今日はみんなで思いっきり楽しもうね!」という茂木欣一(Dr)の挨拶に続いては、彼がボーカルをとる「KinouKyouAshita」。そしてここ最近のライブでは欠かせない「トーキョースカメドレー」がスタート。この日は「Taboo SKA」「Manteca」といった懐かしのナンバーやGAMOが渋いボーカルを聴かせる「L.O.V.E.」など5曲を披露。21年の重みを感じさせるひとときとなった。続いていよいよこの日のスペシャルゲストの1人目、Crystal Kayが登場。9人の笑顔に迎えられて、ピンクのミニワンピース姿のCKがステージに現れると客席からは大歓声が起こった。CKは元気いっぱいに飛び跳ねながら「WORLD SKA SYMPHONY」収録曲の「ずっと」を熱唱。彼女の高く伸びやかな歌声が、体育館いっぱいに響き渡った。

華やかな空気が会場を満たす中、加藤隆志(G)の鳴らすヘヴィなギターが再び雰囲気を変える。「ONE EYED COBRA」の強力なグルーヴでオーディエンスを踊らせ、続いては大森はじめ(Per)の鳴らすクールなイントロから始まる「東雲25時」。逆光気味の白いライトに照らされたステージ上の光景は、タイトルどおり深夜の東京を思わせる。そしてNARGO(Tp)がマイクの前に立ち、茂木のMCではおなじみの「サンキューサンキューサンキューサンキュー!」という挨拶で話し始めると、場内は大爆笑に。NARGOは茂木のほうを見ながら「これ1回やってみたかったんだよ。めちゃくちゃ気持ちいいね」と笑い、これまでのバンドの軌跡を振り返る話を始めた。「もう亡くなってしまったメンバー、クリーンヘッド・ギムラや青木達之。彼らから受け継いだ力を、これからもずっと大切にしたいと思います」と語った後、自身のボーカル曲「雨の軌跡」をひさびさに披露。まっすぐな歌声とホーン隊の柔らかなサウンドとのハーモニーで、観客を魅了した。

終盤戦の仕切り直しのように、ふたたび「Boppin' Bunny」が演奏されたあと、始まったのは「流星とバラード」のイントロ。大歓声に迎えられて2人目のゲスト、奥田民生が登場。独特の艶のあるボーカルが川上つよし(B)の鳴らすベースラインと絡み合い、不思議な色気を醸し出す。民生がステージを去った後、「愛の讃歌」ではステージ後方に8人編成のストリングスが登場。アルバムと同様の「with strings」バージョンで、合計17人による演奏を披露する。スカパラ9人の圧巻のサウンドにストリングスの華麗な音色が重なり、厚みのある贅沢なハーモニーを響かせた。本編最後を飾った曲は「君と僕 2010」。ここで3人目のゲスト、斉藤和義がギターを下げてステージに現れ、優しくも哀切な声で歌い始める。10人の作りだす穏やかな音が場内に満ち、暖かい空気に包まれたままライブ本編が終了した。

熱烈なアンコールの声に応え、ふたたびステージにメンバーが戻ってくる。アンコール1曲目「Pride of Lions」の後、ゲストの3人も再登場。ここで披露されたのは名曲「ジャングル・ブギ」。3人のボーカリストがそれぞれの個性を存分に発揮する歌声を響かせ、オーディエンスを圧倒した。最後の各メンバーによる挨拶では、デビューから21年を迎えた思いを語る。川上は「さっきの『ジャングル・ブギ』はスカパラが最初にカバーした歌もので、1988年の芝浦インクスティックでのライブで初めてやったんです。それを22年経ってから、こんなに豪華な皆さんと一緒にやれるなんてとても光栄です」と感慨深そうに語り、GAMOは「先日某局の、徹子さんのお部屋にお邪魔しまして(笑)。20年かかりました。これからも神出鬼没にいろんなところに出ていきます!」と笑わせた。

アンコール3曲目「DOWN BEAT STOMP」が終わった後も観客の手拍子は鳴りやまない。その音の中、ステージ袖からピアニカの音が響く。NARGOがピアニカを手に登場し、オーディエンスが「あの曲だ!」と期待していると、この日はなんと北原雅彦(Tb)もピアニカを持って登場。2人でイントロがわりの「メリーさんの羊」を合奏し、場内から笑い声が起こる中、ダブルアンコールのナンバー「SKA ME CRAZY」がスタート。“ツインピアニカ”というレアな編成での演奏はいつも以上の盛り上がりを生み出し、大熱狂のうちにライブが終了した。

「東京スカパラダイス国技館」「東京スカパラダイス体育館」を経て、8月には「トーキョースカジャンボリー」を開催し、11月からは全国ホールツアーも決定しているスカパラ。21周年を迎えてもまったくスピードを落とさず、さらに力強く進んでいくことを予感させるライブとなった。

東京スカパラダイス体育館
2010年4月24日 東京体育館 セットリスト

01.Boppin' Bunny
02.White Light
03.A Song for Athletes
04.WORLD SKA CRUISE
05.明鏡止水
06.STORM RIDER
07.KinouKyouAshita -new horn arrangement-
08.Like Jazz On Fire
09.トーキョースカメドレー 21st Anniversary Special Issue
~Perfect Future~Taboo SKA~Manteca~L.O.V.E~FINGERTIPS~
10.ずっと
11.ONE EYED COBRA
12.東雲25時
13.Juggling City
14.太陽にお願い
15.雨の軌跡
16.Boppin' Bunny again!
17.流星とバラード
18.Just say yeah!
19.愛の讃歌 with strings
20.君と僕 2010

EN1-01.Pride of Lions
EN1-02.ジャングル・ブギ
EN1-03.DOWN BEAT STOMP

EN2-01.SKA ME CRAZY

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