スカパラ20周年国技館ライブで民生が「オレンジ」熱唱

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東京スカパラダイスオーケストラの“デビュー20周年イヤー”を締めくくるワンマンライブ「東京スカパラダイス国技館」が、3月27日に両国国技館で行われた。

円形かつ回転するステージについて、谷中が「ファンの人を見れば自分が今どっちを向いてるかわかる」と語ったのに対し、民生は「一緒ですよみんな!」と冷静に切り返した。

円形かつ回転するステージについて、谷中が「ファンの人を見れば自分が今どっちを向いてるかわかる」と語ったのに対し、民生は「一緒ですよみんな!」と冷静に切り返した。

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NARGOはMCで「実は僕は非常に乗り物に弱い体質でして……こういうステージだとちょっと困っちゃいまして、若干乗り物酔いしています(笑)」と、演奏中の心境を明かした。

NARGOはMCで「実は僕は非常に乗り物に弱い体質でして……こういうステージだとちょっと困っちゃいまして、若干乗り物酔いしています(笑)」と、演奏中の心境を明かした。

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当日の会場は土俵際の溜席以外のマス席すべてに観客を入れた、円形のセンターステージ形式。通常のホールやライブハウスと全く異なる座席構成にファンも戸惑い気味で、チケットを片手に通路を右往左往する姿が多く見受けられた。

時間いっぱいとなった会場には国技館らしく呼び出し太鼓の音が響き渡り、いよいよライブがスタート。東西の花道から登場したメンバーが“土俵入り”すると、会場を揺るがす大歓声と拍手が響き渡った。

沖祐市(Key)のピアノからスタートした1曲目は、デビューアルバム「東京スカパラダイスオーケストラ」でも1曲目を飾った「ペドラーズ」。早くもテンションが上がった会場に、「Like Jazz On Fire」「DOWN BEAT STOMP」と、アッパーなナンバーが次々と叩きつけられる。GAMO(T.Sax)は「今日は360度に入れてるから気合入れていくぜ! どすこいどすこいどすこい!」とオーディエンスを煽り、集まった全員が両手を上げて彼らの気合いに応える。

谷中敦(B.Sax)の「スカパラはデビュー20周年! あっという間だったけど、これから先もきっとあっという間だと思います。そして今日も『あっという間だった』って思ってもらいたいので、楽しんでいってください!」という挨拶に続いては、「WORLD SKA CRUISE」「STORM RIDER」など、最新アルバム「WORLD SKA SYMPHONY」を中心とした最近の楽曲を披露。一方でホーンズ4人のソロパートやアクションが印象的な往年の名曲「花ふぶき」も演奏し、場内を沸かせる。

さらに昨年の全国ツアーでも話題を呼んだ「トーキョースカメドレー」が“20周年アニバーサリーバージョン”として再登場。「演奏したこと自体が15年ぶりぐらい」という1994年の楽曲「ハプニング」をはじめ、近年のライブではあまり披露されていないレア曲を連発。それぞれのイントロが始まるたびに客席からはどよめきが起こった。そしてこのメドレー中、円形のステージが回転して四方のオーディエンスにここまでとは違った角度を見せる。とくにメンバーの背中を見続けていた向正面のファンからは、いっそう大きな歓声が上がった。

ここでメンバーはいったん退場し、ステージ上には沖1人が残る。アコーディオンを抱えた彼が披露したのはもちろん「君と僕」。アルバム「WORLD SKA SYMPHONY」には斉藤和義をゲストボーカルに迎えた新バージョン「君と僕 2010」が収録されているが、ここではオリジナルならではのシンプルでピュアな魅力をファンに存分に伝えた。

ライブはいよいよ後半戦に突入。ステージに戻ってきた川上つよし(B)のベースソロから始まる「The Look Of Love」では、NARGO(Tp)のミュートトランペットの音色がムーディーな雰囲気を作り上げ、「SKAHOLIC GENERATION」では茂木欣一(Dr)がドラムセットを飛び出してアジテートを務め、代わりにGAMOがドラムを叩いて会場を驚かせる。その茂木がボーカルをとる「KinouKyouAshita」では、彼の「なんだか帰りたくないね! 明日も明後日もここで演りたいよ。見てごらん、たくさんの優勝力士が見つめているよ(笑)」という、国技館天井近くの優勝力士額を紹介するMCに、大きな笑い声が起きた。

帰りたくないというメンバーやオーディエンスの気持ちを残しつつ、本編も終盤に近づく。メンバーそれぞれがステージ四方にギリギリまで飛び出し、笑顔を交わした「White Light」、最新アルバムを代表する合唱ナンバー「Just say yeah!」に続き、本編最後を飾ったのは「愛の讃歌」。大サビでは国技館いっぱいに銀テープが舞い、フィナーレを盛り上げた。

なぜかマス席のファン全員が、特典の座布団を掲げて贈られたアンコールの声に導かれ、メンバーは再びステージに登場。2曲目のイントロが鳴り響くと同時に場内からは悲鳴に似た歓声が起こり、さらにもう1人の黄色いスーツに身を包んだ男がステージ上に駆け上がってきた。サプライズゲストとして登場したのは奥田民生、歌うのはもちろん8年ぶりにスカパラとコラボレーションした「流星とバラード」。大人の色気を十分に漂わせる貫禄の歌声を披露した民生だが、曲が終わると観客に向けて黄色いスーツにちなんで「ゲッツ!」のポーズを繰り返した。

さらに谷中に対して「俺、なんでアンコールなの? アンコールってみんなの声に応えて予定外にやるもんでしょ? もし起こらなかったらどうしようって思ってたよ!」と詰め寄り、谷中が苦笑いする一幕も。そして谷中の「せっかくなので今日は持ち曲じゃない曲を、スペシャルで歌っていただきます」という紹介の後に演奏されたのは「めくれたオレンジ」。2001年に田島貴男をゲストボーカルに迎えて発表されたこの曲を、この日は民生のボーカルというレアバージョンで披露。民生もまるで自分の楽曲のように華麗な歌いっぷりを見せ、オーディエンスを大興奮に導いた。

最後の挨拶では谷中が涙ぐみながら「みなさんのおかげでここまでやってこれました」と感謝の意を述べる。そして昨年に引き続き、スカパラ主催フェス「トーキョースカジャンボリー」を8月7日に山中湖で開催することを川上が発表すると、会場からは大きな拍手が起こった。一方、この日髪型をパーマヘアに変えて現れた大森はじめ(Per)は「僕がスカパラに入ったばっかりの頃はロングのソバージュだったんですよ(笑)。今日は初心を忘れないために、ちょっとあててきました」と笑わせ、北原雅彦(Tb)は「どすこーい! ごっつぁんです! 20年目の千秋楽、ありがとうございました!」とテンション高く挨拶した。

アンコールラストの曲「Paradise Blue」が終わり、終演を知らせるアナウンスが流れてもダブルアンコールを求める声は鳴り止まない。長い拍手に応えてメンバーが登場すると、加藤隆志(G)は「うれしいぜー! ありがとう! 着替え入っちゃてるメンバーもいるから、もうちょっと待ってて(笑)」と観客に呼び掛ける。9人全員がそろったところで始まったラストナンバーは「スキャラバン」。20年にわたって多数のファンから愛されてきた名曲で、記念すべきライブは華やかに締めくくられた。

なお、この日のライブの模様は5月29日(土)にCS放送・テレ朝チャンネルにて放送される。ライブに参加した人も残念ながら参加できなかった人も、ぜひチェックしてみよう。

東京スカパラダイス国技館 2010年3月27日 セットリスト

01.ペドラーズ
02.Like Jazz On Fire
03.DOWN BEAT STOMP
04.WORLD SKA CRUISE
05.Heaven's Door
06.STORM RIDER
07.花ふぶき
08.トーキョースカメドレー 20周年アニバーサリーver~ハプニング~仔象の行進~STROKE OF FATE~銀河と迷路~(You don't know)what ska is.~MONSTER ROCK~
09.君と僕
10.The Look Of Love
11.SKAHOLIC GENERATION
12.Juggling City
13.SKA ME CRAZY
14.TIN TIN DEO
15.美しく燃える森-instrumental-
16.KinouKyouAshita
17.White Light
18.Just say yeah!
19.愛の讃歌

EN1-01.Boppin' Bunny
EN1-02.流星とバラード
EN1-03.めくれたオレンジ
EN1-04.Paradise Blue

EN2-01.スキャラバン

※記事初出時、CSのオンエア日に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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音楽ナタリー @natalie_mu

スカパラ20周年国技館ライブで民生が「オレンジ」熱唱 http://natalie.mu/music/news/29792

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