この公演は10月6日から開催されていた
この日のコンサートは2部制。1部では作詞を松本隆が、作曲をさまざまなアーティストが手がけた、クミコ with 風街レビュー名義の最新アルバム「デラシネ deracine」の収録曲全10曲が披露された。ピンク色のドレスに身を包んだクミコは、バンドの演奏に乗せ「恋に落ちる」を歌いながら、客席内を通って登場。ステージに到着すると、「人間、後ろを振り返ってもいいことないから(笑)」と笑いを交えて、最新アルバムの楽曲を披露するというこの日のコンサートのコンセプトを説明する。その後は作曲者や楽曲の説明をしながら、秦基博作曲の「さみしいときは恋歌を歌って」や横山剣(クレイジーケンバンド)作曲のゴキゲンなロックチューン「フローズン・ダイキリ」、つんく♂作曲の「砂時計」など、さまざまな表情の楽曲群を伸びやかな歌声で届けていった。
終盤にはコンポーザー兼ピアニストの
2部はクミコいわく「おなじみの曲」を中心にしたセットリストに。白いロングドレスに着替えたクミコは中島みゆきが作詞作曲を手がけた「十年」や、東京・銀巴里で歌い始めた頃に初めてシャンソンに自身で歌詞を付けたという「愛しかないとき」、2010年に出演した「第61回NHK紅白歌合戦」で歌唱した「INORI~祈り~」といった自身の活動を振り返るような楽曲群を、説明しながら届けていく。「歌を歌うということは、自分の意志を皆さんにお伝えするということだと思う」と語った彼女は、「わが麗しき恋物語」「愛の讃歌」といったシャンソンのナンバーでは表情豊かに、情感たっぷりのパフォーマンスを見せ、観客の心をさらっていった。2部の終盤で満ち足りた表情を浮かべた彼女は「これからもいい加減に、よい加減に、歌っていこうと決めました」と今後に思いを馳せ、クミコいわく“ゴキゲンなシャンソン”「幽霊」で2部を終えた。
アンコールの声に答えて「ラストダンスは私に」を歌いながらステージに姿を現したクミコは、同曲を歌い終えると改めて松本を呼び込む。そして彼を“命の恩人”と説明したのち、松本に向かって「これからもがんばっていきたい」と宣言し、再び「フローズン・ダイキリ」を選曲。楽しげに、しかし力強く歌い上げて、約3時間にわたったステージの幕を下ろした。
クミコ・ザ・ベストコンサート 1982-2017
2017年10月9日 恵比寿ザ・ガーデンホール セットリスト
第1部
01. 恋に落ちる
02. さみしいときは恋歌を歌って
03. 消しゴム
04. 不協和音
05. フローズン・ダイキリ
06. 枝垂桜
07. 砂時計
08. 輪廻
09. セレナーデ
10. しゃくり泣き
第2部
11. 十年
12. 愛しかないとき
13. INORI~祈り~
14. 一本の鉛筆
15. わが麗しき恋物語
16. 愛の追憶
17. 広い河の岸辺
18. うまれてきてくれて ありがとう
19. 百万本のバラ
20. 愛の讃歌
21. 幽霊
<セットリスト>
22. ラストダンスは私に
23. フローズン・ダイキリ
※「デラシネ deracine」は2つのeにアキュートアクセント付きが正式表記。
関連商品
デラシネ deracine(アナログ)
[アナログ] 2017年9月27日発売 / 日本コロムビア
リンク
- クミコ オフィシャルサイト - Kumiko Official Site
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ホタテ ギターズ @hotate_guitars
【ライブレポート】クミコの35周年を松本隆&村松崇継が祝福「これからもよい加減に歌っていこうと」(写真19枚) - 音楽ナタリー https://t.co/1tZt6Q79Ac