THE SUPER FRUITついにメジャーデビュー!喜びとプレッシャーが入り混じる今の気持ちとは

THE SUPER FRUITがヒャダインの提供曲「まにまに」で、ついにメジャーデビューを果たした。

2022年8月にシングル「チグハグ」でインディーズデビューしたのち、同年12月に“裏デビューシングル”と銘打った「馬鹿ばっか」をリリースし、2度のデビューを経験してきたTHE SUPER FRUIT。彼らはメジャーデビューをグループ最大の好機だと話し、喜びの中にもプレッシャーを感じていると明かす。

そんなメジャーデビューと真摯に向き合う7人に現在の素直な心境や、「まにまに」制作秘話、そして「まにまに」が主題歌となったメンバー全員主演のドラマ「サムギョプサルですが」についてたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / 曽我美芽撮影協力 / 民俗村

「チグハグ」のときを思い出す

──活動開始から約4年。ついにメジャーデビューの時が来ました。皆さんの今の気持ちは?

堀内結流 うれしい気持ちはふつふつと湧いてはきているんですが、まだそこまでの実感がないというか。ついに自分たちがメジャーデビューできる、と言っても目の前のやるべきことはそこまで変わっていなくて。もちろん、いろんなイベントや番組に出させていただいたり、関わってくれるスタッフさんが増えたりしていく中でワクワクする瞬間も増えていますけど、きっとこれからもっと大きなワクワクが待っているんだろうなって。楽しみと緊張とプレッシャーの3つが自分の中で混ざっている感覚です。

阿部隼大 最近特に感じているのが、自分が尊重している考え方や表現を、スパフルの音楽を通してこの7人で届けられるのがすごく楽しいということ。活動の規模が大きくなるにつれてたくさんの方に届いているのがうれしいし、メジャーデビューを経てみんなと一緒にいろんな景色を見に行きたい、という気持ちが強いですね。

松本勇輝 メジャーシーンという、自分が憧れてきたアーティストの方々と同じ土俵に立てるのはすごく光栄なことだし、うれしい気持ちでいっぱいです。勇気は必要だけど、メジャーデビューをきっかけに新しい人にもたくさん知っていただいて、いろんなところでスパフルの爪痕を残していきたいですね。応援したいと思わせるようなアーティストになりたいです。

松本勇輝

松本勇輝

田倉暉久 純粋にうれしい気持ちはもちろんありますが、メジャーデビュー日の9月2日が近付くにつれてプレッシャーも強くなってきて、焦りの気持ちも出てきました。もっとスパフルのことをみんなに知ってもらいたい、もう一段階僕らのギアを上げたいという、いい意味でのプレッシャーを自分にかけながら活動しています。

小田惟真 インディーズデビューで「チグハグ」をリリースしたときと今の状況が少し重なるんですよ。「チグハグ」も夏のリリースでリリイベを回っていたら、なんだかすごいことになってきたぞ、という感覚が各地であって。ただ、過去とリンクしていると感じつつ、欲を言えば「チグハグ」のときと比べて少し物足りない部分も正直あります。それは決してお客さんやSNSの盛り上がりが物足りないとかではなくて、もうちょっと僕らが何かつかめるんじゃないか、みたいな感じ。テル(田倉)と同じでメジャーデビューに対してはプレッシャーに近いかもしれないです。

星野晴海 晴は「ついにメジャーデビューの時が来た」という気持ちのほうが強いですね。これまでの活動が実を結んで、お子様の世代からお母さんの世代、もっと上のおじいちゃんおばあちゃんの世代までスパフルのことを応援してくれる人がいる実感がありますし、メジャーデビューはこれからさらにいろんなところで知ってもらえるいい機会に絶対なると確信しています。

鈴木志音 僕らはインディーズデビューと“裏デビュー”をしてきたので(参照:THE SUPER FRUITと世が世なら!!!、12月に“裏デビューシングル”リリース決定)、今回のメジャーデビューが最後の“デビュー”になると思っていて。デビューということに関しては最後の切り札を使う感覚で、ちょっと寂しい気持ちもあるんですが、メジャーデビューはきっとこれまでのどのデビューよりも大きなものになると思うので、すごくワクワクしています。

鈴木志音

鈴木志音

──メジャーデビュー後の11月に過去最大規模のワンマンを控えていますから(参照:THE SUPER FRUITが来年幕張メッセでワンマン開催、最大キャパを大きく更新)、田倉さんや小田さんが「気が抜けない」と言うのもよくわかります。

小田 5000人規模のライブが控えているし、僕らはアリーナ公演を目標に掲げているので、メジャーデビューはゴールではなく、1つのスタートであり、あくまで通過点であることも忘れないようにはしています。

小田惟真

小田惟真

田倉 「チグハグ」の経験を踏まえると、曲をたくさんの方が知ってくださったとしてもグループのことを知ってもらうにはもうひと押し“何か”が必要なんですよ。ただ曲がバズったり、メジャーデビューを喜んでいるだけじゃきっと足りなくて、そこからグループやメンバー個人をより知ってもらうにはどうするべきなのか、冷静に考えなきゃいけない期間だとも思っています。

スパフルらしく、ヒャダインらしい

──メジャーデビュー曲「まにまに」は、スパフルの人気曲「どーぱみんみん あどれなりんりん」を手がけたヒャダインこと前山田健一さんの提供曲です。最初に聴いたときの印象は?

田倉 100%ヒャダインさんの曲だな、と思いました。

阿部 うん。「どーぱみん」のときよりも“ヒャダイン節”がいろんなところに垣間見えて、これをどうスパフルに落とし込んでいくのか、すごく楽しみになりました。

阿部隼大

阿部隼大

堀内 個人的にヒャダインさんの音作りが大好きで、「どーぱみん」のときもアレンジや細かいサウンドが本当に気持ちよかったです。「まにまに」は「どーぱみん」のとき以上にいろんな音が詰め込まれているので、この曲を歌って踊れるのが本当に幸せだと思いました。

星野 「どーぱみん」のときはわかりやすくメンバーの特徴を入れてくれていたんですよ。結流だったら「牛丼」だったり、晴の場合は「デパコス」という言葉だったり。今回の「まにまに」は内面的により深くヒャダインさんとつながった曲だなと感じています。

──どういうところでそれを感じましたか?

星野 晴が歌っている「違和感上等 こんにちは!」という歌詞をいただいたときですね。中性的な立ち位置だから違和感があることは自分でもわかっていて、それを「上等」という言葉につなげてくれたところがすごく自分でもしっくりきました。ほかのメンバーが歌う歌詞も内面的な部分で合っているものが多くて、よりスパフルらしい曲になった実感があります。

星野晴海

星野晴海

田倉 スパフルらしいけど、ちゃんとヒャダインさんらしいのもうれしくて。僕は小さい頃からヒャダインさんの曲を聴いていたので「それはそう」を繰り返すパートの“ネット音楽のにぎやかな感じ”とかがすごくヒャダインさんらしくて痺れました。「うわ、ヒャダインさんの曲を歌わせてもらってる!」って。あと冒頭の「アメリカザリガニ」の言葉選びもヒャダインさんらしい。

鈴木 「ワニワニ アリアリ アメリカザリガニ」ってすごい言葉だよね。ビックリした。

田倉 スパフルの歌詞って、紐解いていくと深い意味が込められてるものが多いんですよ。それをいい意味で裏切る「ワニ」と「アメリカザリガニ」。なるほど、その手があったか、と思いました。

田倉暉久

田倉暉久

松本 リリイベで初めて「まにまに」を披露したとき、初見なのに「アメリカザリガニのところ、覚えました!」とファンの方に言ってもらって、突拍子もない言葉だけど聴き手の印象に残るフレーズなんだなってすごく感じました。振付も覚えやすいので、さっそくマネしてくれてます。

堀内 CRE8BOYさんに手がけてもらった振付が本当にシンプルと思いきや、めちゃくちゃ1つひとつの振りに意味が込められていて。振付って難しくても簡単でも、覚えてもらったら勝ちなんですよ。「あの曲ね!」ってなるから。「まにまに」では「アメリカザリガニ」という強烈な歌詞と、ザリガニのハサミを模した振付だけで曲を覚えてもらえる感覚があって。また1つ強力な曲ができた手応えがあります。

堀内結流

堀内結流

小田 まだコール&レスポンスをどうするか決めていなかったのに、ファンの皆さんが自ら声を出してくださったのがすごく印象的で。去年「どーぱみん」を携えて47都道府県を回ってコール&レスポンスをしまくった結果、みんなで声を出して楽しむライブが定着した感覚があってうれしいです。

鈴木 メンバー同士で目を合わせるパートがあったり、「まにまに」を歌って踊るのがすごく楽しいです。それが伝わったのか、リリイベでフルファミ(THE SUPER FRUITファンの呼称)に「スパフルのメンバーが楽しんでいるのが伝わる」と言ってもらったのがすごくうれしかったですね。