堂島孝平、旨味を凝縮したツアーファイナルで20周年の総決算

堂島孝平のライブツアー「【DJKH 20th】DJKH×A.C.E. TOUR 2016『君が、来る』」の最終公演が、昨日2月21日に東京・LIQUIDROOMで開催された。

昨年2月21日にデビュー20周年を迎えた堂島はその翌日、自身の39歳の誕生日である2月22日に東京・中野サンプラザホールで記念公演「堂島孝平 活動20周年記念公演 オールスター大感謝祭！」を大々的に行い、このステージ上で「でっかい花火を打ち上げさせてもらっていますが、その花火をさらに高く見栄えのいいものにするために、全国回って精力的にやってまいります！」と宣言。1年にわたり、弾き語りやバンド編成などさまざまなスタイルによるライブツアーで全国各地を回ってきた。

アニバーサリーイヤーの締めくくりとなった昨日のライブは、鹿島達也（B）、奥田健介（G / NONA REEVES）、小松シゲル（Dr / NONA REEVES）、渡辺シュンスケ（Key / Schroeder-Headz）の4人を迎えたバンド「DJKH×A.C.E.」で1月よりスタートさせたツアーの最終公演。このツアーでは、12月にリリースされた最新アルバム「VERY YES」からの楽曲を交えつつ、堂島の「20年の旨味を味わってもらいたい」という思いから選りすぐられた新旧の楽曲が披露された。

2010年発売のアルバム「VIVAP」からのナンバー「OK」で軽快にライブをスタートさせた堂島は、「20周年のすべてをぶつけたいと思います。今日は基本的にいい曲を用意してますし、いいところしか出しません。日々のうっぷんを払拭するあっぱれな1日にしましょう！」と満員のフロアを煽る。最新作「VERY YES」収録曲「PERFECT LOVE」ではギターを手放しハンドマイクで熱唱。同じく「VERY YES」からの楽曲「わがみ」はアウトロを延々と引き延ばし「全然終わんないよ！ だいたいのところで終わるライブばっか観すぎなんじゃないのか！」と繰り返しレスポンスを求めた。

中盤の弾き語りコーナーではバンドメンバーが一旦ステージを去り、堂島がギター1本で観客と対峙する。このコーナーではツアーの各会場ごとに異なる楽曲がセレクトされており、この日は「自分にとってキーポイントになってる曲を」と、ちょうど21年前の1995年にリリースされたデビュー曲「俺はどこへ行く」と、KinKi Kidsに提供した2002年のナンバー「カナシミ ブルー」の2曲を演奏。さらに「ニューアルバムから、今、堂島孝平が一番歌いたい歌を」と、ただただ車の免許が取りたいという個人的な思いをストレートにつづった「免許を取ったら」も弾き語りで披露された。ちなみにバンドメンバーのうち免許を持っているのは鹿島のみで、堂島は「免許取りたいけど、怒られたりするんでしょ？ 40になって怒られるのヤだよ」と胸の内を語り、「免許持ってる人？」の質問に観客の過半数が挙手したことにより「なんか、上から目線ですみませんでした」と萎縮した様子を見せた。

終盤は「ロンサムパレード」「H.A.P.P.Y」「CHOCO ME BABAY」「スカイドライバー」など新旧のアップテンポな楽曲を畳み掛け、ラストの「SHORT CUTER!～音の遊撃手～」で完全燃焼。アンコールでは堂島のキレのあるギターカッティングから始まる「銀色クリアデイズ」を披露し、堂島は「いい時間が流れていって、終わっちゃうのがもったいないなという感じです。いつもはそんなふうに思わないタイプだけど、今日は違う」と名残惜しそうにつぶやく。そして「明日から22年目ということになるんだけど、これからもいい作品を作って、デザート食べるような感覚で聴かれるようなそういうミュージシャンに……ごめん、ちょっと話が小ちゃいな。でも、必要とされたときにいる、そういうミュージシャンになりたい！」と宣言すると、客席からは大きな拍手と歓声が送られた。堂島は「ありがとう！ 今日を忘れません！」とこれに応え、「あのコ猫かいな」を熱唱。最後に「今日でツアー終わっちゃいますけど、新しい日に新しい会場で会えることを祈ってます！」と告げると、最新作のラストナンバー「きみのため」でおよそ2時間半におよんだステージを締めくくった。

また昨日のステージでは、ビッグバンド編成「堂島孝平楽団」による東京・東京キネマ倶楽部2DAYSワンマンライブが6月に開催されることが発表された。ライブの告知とともに「今年は楽団のほかにも画期的なことが起こってます。けっこう画期的です、本当に」と宣言していた堂島。本日2月22日に40代に突入した彼が今後どんな活躍を見せてくれるのか、ファンは楽しみにしておこう。