スカートが「スペシャル」ツアー最終公演で完全優勝!“真のファン”と共有した濃密な音楽時間

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スカートのツアー「スカート ライヴツアー 2025 “スペシャル”」が、6月28日に東京・東京キネマ倶楽部でファイナルを迎えた。

スカートとは?

シンガーソングライター澤部渡によるソロプロジェクト。2010年にスカート名義での音楽活動を始め、同年に自主制作による1stアルバム「エス・オー・エス」をリリースした。以降もセルフプロデュースによる作品をコンスタントに制作し、2014年にはアナログ12inchシングル「シリウス」をカクバリズムより発表。2016年発売のアルバム「CALL」で注目を浴びた。2017年にポニーキャニオンよりメジャーデビューアルバム「20/20」をリリース。メジャーデビュー5周年を迎えた2022年12月にはアルバム「SONGS」を発表した。2024年8月に初のフィーチャリングEP「Extended Vol.1」を配信リリース。CDデビュー15周年を迎えた2025年5月には、通算10枚目となるフルアルバム「スペシャル」を発表した。スカート名義での活動のほか、ギター、ベース、ドラム、サックス、タンバリンなど多彩な楽器を演奏するマルチプレイヤーとしても活躍しており、yes, mama ok?、川本真琴ほか多数のアーティストのライブでサポートを務め、スピッツや鈴木慶一のレコーディングにも参加。これまでに藤井隆、Kaede(Neggico)、三浦透子、adieu(上白石萌歌)ら他アーティストへの楽曲提供およびドラマや映画の劇伴制作にも携わっている。

澤部渡(Vo, G)

澤部渡(Vo, G)

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今年でCDデビュー15周年を迎え、5年ぶり2度目の“優勝”を果たしたスカート。このツアーはメジャー5枚目、通算10枚目となるフルアルバム「スペシャル」が5月にリリースされたことを記念したもので、キネマ倶楽部にはこの特別な1日を祝うべく大勢のスカートファンが詰めかけた。

多彩な楽曲見る、スカートの15年

スカート(撮影:廣田達也)

スカート(撮影:廣田達也)[拡大]

ジャケットスタイルの澤部渡(Vo, G)は、バンドメンバーである佐久間裕太(Dr)、シマダボーイ(Per)、岩崎なおみ(B)、森川あづさ(Key)とともに姿を見せると、1曲目に「スペシャル」収録曲の中でも異彩を放つ「トゥー・ドゥリフターズ」をセレクト。どこか不穏な立ち上がりから澤部の口笛や歪んだギターの音色を丁寧に重ねて観客を惹き付けると、感情を爆発させるように重厚なバンドサウンドを会場いっぱいに響かせる。そして「さよなら!さよなら! 」で演奏のギアを引き上げると、「緑と名付けて」「Aを弾け」といった短尺のポップナンバーを軽快にプレイした。

澤部渡(Vo, G)(撮影:廣田達也)

澤部渡(Vo, G)(撮影:廣田達也)[拡大]

スカートは初期曲「セブンスター」やメジャー2ndシングル「君がいるなら」、最新アルバムから「ぼくは変わってしまった」「遠くへ行きたい」と、新旧を織り交ぜたセットリストを展開。音楽性の振り幅の広さと、15年というバンドの歴史を感じさせるステージで観客を魅了していく。ライブ中盤、どこか影のあるミディアムナンバー「駆ける」でセンチメンタルなムードを演出したかと思うと、数ある代表曲の1つ「ストーリー」では清涼感のあるボーカルで会場をさわやかな空気で満たした。

現在地示したクライマックス

「スカート ライヴツアー2025“スペシャル”」最終公演の様子。(撮影:廣田達也)

「スカート ライヴツアー2025“スペシャル”」最終公演の様子。(撮影:廣田達也)[拡大]

MCでは澤部が15年の活動を振り返り、「普通だったら10枚目のアルバムって一番興味ないもんね(笑)。そんな中、こうやって皆さんが来てくれているのが本当にうれしいわけです」と観客に向けてひと言。佐久間は「インディーシーンとか言われてる頃はいろんな人がライブに来たじゃない? “真のファン”じゃない人が。そのいろんな人がいる感じもいいんだけどさ、15年も経つと“真のファン”しかいなくなってくる(笑)」と冗談を飛ばして会場の笑いを誘った。そして佐久間が「“真のファン”をふるいにかけるゾーンがやってきます」と告げると、最新アルバムから「四月怪談」の演奏がスタート。淡々と奏でられるメロウなグルーヴに、会場に集まった“真のファン”たちはゆったりと体を揺らしていた。

スカート(撮影:廣田達也)

スカート(撮影:廣田達也)[拡大]

バンドメンバーの卓越した演奏スキルが光るダンサブルナンバー「回想」「返信」を経てライブは終盤へ。澤部は「本当に長く続けてきてよかったです。新しい曲から昔の曲まで、盛り上がっていただいて最高です!」と、ライブを見守ってきたファンへ改めて感謝を伝える。彼は「ラストスパートになってしまいますが、最後まで楽しんでいってください」と告げて、PUNPEEとのコラボ曲「ODDTAXI」や、2016年発表の1stシングル「静かな夜がいい」、エモーショナルな初期の人気曲「ガール」を次々と披露。5人の熱量の高いステージングに会場が沸き立つ中、澤部は「最後に1曲、どうしても聴いてほしい曲があります! 『スペシャル』!」と勢いよく宣言すると、スカートの現在地を象徴する「スペシャル」を駆け抜けるように演奏し、ステージをあとにした。

Zepp Shinjukuでの再会を約束

澤部渡(Vo, G)(撮影:廣田達也)

澤部渡(Vo, G)(撮影:廣田達也)[拡大]

スカート(撮影:廣田達也)

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アンコールでは、澤部が優勝トロフィーを片手にステージに登場。そして彼の口から12月14日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でスカート史上最大規模となるワンマンライブを行うことが告げられると、客席からは盛大な拍手が送られた。スカートは「火をともせ」「波のない夏」の2曲を届けたのち、ファンとZepp Shinjukuでの再会を約束してラストナンバー「月光密造の夜」を演奏。みずみずしいバンドサウンドで場内を満たし、大盛況の中で「スペシャル」ツアー最終公演の幕を降ろした。

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セットリスト

「スカート ライヴツアー2025“スペシャル”」最終公演 2025年6月28日 東京キネマ倶楽部

01. トゥー・ドゥリフターズ
02. さよなら!さよなら!
03. 緑と名付けて
04. Aを弾け
05. セブンスター
06. 君がいるなら
07. ぼくは変わってしまった
08. 遠くへ行きたい
09. 駆ける
10. ストーリー
11. ミント
12. 期待と予感
13. すみか
14. 四月怪談
15. ひとつ欠けただけ
16. CALL
17. 回想
18. 返信
19. ODDTAXI
20. 静かな夜がいい
21. ガール
22. スペシャル
<アンコール>
23. 火をともせ
24. 波のない夏
25. 月光密造の夜

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澤部渡 / スカート @skirt_oh_skirt

うれしいね https://t.co/98EEHp6lF7

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