劇作家トム・ストッパードが死去、哲学的かつウィットに富んだ大作を多数執筆

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劇作家トム・ストッパードがイギリス・ドーセットにある自宅で死去した。88歳だった。

1937年、チェコスロバキア(現・チェコ)のユダヤ系家庭に生まれたストッパードは、ナチスの迫害を逃れてシンガポールに移住。その後、インドからイギリスへと渡った。イギリスではジャーナリストとして働きながら戯曲を執筆。1960年代に初演された「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」は、アメリカ・ニューヨークのオン・オフブロードウェイでも上演され、トニー賞では4部門に輝いた。

2002年にイギリス・ロンドンで初演された「コースト・オブ・ユートピア」は、19世紀を生きたロシアの知識人たちを30年にわたって描いた大河ドラマで、3部制上演、全編を通すと9時間以上の大作となった。同作は、日本では2009年に蜷川幸雄の演出で上演され、高松宮殿下記念世界文化賞ほか演劇賞を受賞。そのほか、「リアルシング」「アルカディア」「ロックンロール」など、多くの作品が日本でも上演され、親しまれた。また、舞台作品以外にも映画やラジオドラマの脚本、翻訳・翻案作品も手がけたストッパードは、広い分野で才能を発揮。映画「恋におちたシェイクスピア」はアカデミー賞脚本賞をはじめさまざまな賞に輝いた。また、映画「未来世紀ブラジル」、映画「太陽の帝国」、映画「アンナ・カレーニナ」などの脚本も担当した。

遺作となったのは、2020年にロンドンで初演された「レオポルトシュタット」。五十代になって自らのルーツを知ったというストッパードが、自伝的要素を絡めて執筆した戯曲で、20世紀のオーストリアで戦争、革命、ホロコーストなどに直面したユダヤ人一族の一大叙事詩が展開した。United Agentsは、ストッパードが「家族に囲まれ、安らかに息を引き取った」ことを伝えている。

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