「あいち2025」本日開幕、PAキュレーター中村茜「ステートメントに応じられる芸術祭に」

2025年9月13日 17:20 4 2 ステージナタリー編集部

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国際芸術祭「あいち2025」が本日9月13日に開幕。それに先がけて、昨日12日に開幕記者会見が愛知・愛知芸術センターにて行われた。

フール・アル・カシミ

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国際芸術祭「あいち」は、2010年から3年ごとに愛知県で開催されている芸術祭。「あいち2025」のパフォーミングアーツ部門では、芸術監督フール・アル・カシミが掲げる「A Time Between Ashes and Roses 灰と薔薇のあいまに」をテーマを体現する、国内外の演劇やダンスなどの舞台芸術作品が、パフォーミングアーツキュレーターの中村茜により、愛知芸術文化センターを中心に上演・展開される。

カシミは「灰と薔薇のあいまに」というコンセプトについてよく聞かれると言い、これは1967年の第三次中東戦争のあと、詩人のアドニスによって書かれたものだと説明しつつ、「当時を思うと大変な思いが募ります。今回、世界から作品やアーティストに参加してもらうことができて本当に良かったと思います。非常に感情があふれるような展示になっています」と話し、いくつかの美術作品をスクリーンに映し出しつつ紹介した。

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また中村は、「あいち2025」が掲げるステートメントを読み上げ、「国際芸術祭『あいち2025』は、『先住民族の権利に関する国際連合宣言』（2007年）を踏まえ、すべての先住民族および先住民のアイデンティティをもつ人々の歴史、文化、権利、そして尊厳を尊重します。また、民族や国籍、人種、皮膚の色、血統や家柄、ジェンダー、セクシャリティ、障がい、疾病、年齢、宗教など、属性を理由として差別する排他的言動や、その根幹にある優生思想（生きるに値しない命があるというあらゆる考え方）を許容せず、この芸術祭が、分断を超えた未来につながる新たな視点や可能性を見出す機会となることを目指します」と述べたのち、「私たちが共に考えたステートメントに応じられる芸術祭になるように走っていきたい」と思いを述べた。

国際芸術祭「あいち2025」は11月30日まで行われる。

なおステージナタリーでは中村と、身体障がい者による身体表現を追究する大阪のパフォーマンスグループ・態変の金滿里、現代に生きるアイヌの存在と向き合う北海道出身の音楽家・現代美術家マユンキキ、「人類館」の作者・知念正真の娘で沖縄でAKNプロジェクトを主宰する知念あかね、アーティスト集団・オル太のメンバーで脚本・映像・パフォーマンスなどを担うメグ忍者による座談会を実施。さらに態変の稽古場レポートを掲載している。