京極夏彦「巷説百物語」が真山隼人により浪曲化、京極「大変光栄なこと」

2

94

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 32 41
  • 21 シェア

浪曲『巷説百物語』~小豆洗いの巻~」が、7月19日に東京・北とぴあ ペガサスホール、8月16日に大阪・朝日生命ホールで上演される。

「浪曲『巷説百物語』~小豆洗いの巻~」チラシ表

「浪曲『巷説百物語』~小豆洗いの巻~」チラシ表

大きなサイズで見る(全2件)

京極夏彦による妖怪を描いた時代小説「巷説百物語」を浪曲化するプロジェクトが、浪曲師の真山隼人と曲師の沢村さくらにより始動した。本公演では、同小説の発端を飾る「小豆洗い」が披露されるほか、1人のデザイナーが人気作家になるまでを描く浪曲「京極夏彦物語」が同時上演される。さらに、京極と真山によるトークも行われる。

京極は「口承文芸は、コトバを繰り声音を操って聞く者の脳内に物語を生み出します。中でも節と啖呵を織り交ぜ、三味線の音に乗せて“モノ語る”浪曲は、きわめて技巧的かつ原初的な形式です。『巷説百物語』は小説ですが、“語り / 騙り”という口承文芸が積み上げてきた“技”に立ち戻ろうという試みでもありました。そんな拙作を浪曲の素材として選び取っていただきました。これは大変光栄なことと感じております」と喜びを語っている。

京極夏彦コメント

三味線の音が“りん”と聞こえる日

本邦近代小説の直接的な祖型は口承文芸だと考えています。落語や講談の文章化が言文一致運動に拍車をかけたことは疑いようがないことです。口承文芸は、コミックよりも映像作品よりも、演劇よりも小説に近しい表現形式だといってよいでしょう。
視覚情報のみで構成される小説は、言葉を選び文字を選び、文を組み立て版面を組み上げることで読む者の脳内に物語を立ち上げる仕組みです。一方、音声情報だけで創られる口承文芸は、コトバを繰り声音を操って聞く者の脳内に物語を生み出します。中でも節と啖呵を織り交ぜ、三味線の音に乗せて“モノ語る”浪曲は、きわめて技巧的かつ原初的な形式です。「巷説百物語」は小説ですが、“語り / 騙り”という口承文芸が積み上げてきた“技”に立ち戻ろうという試みでもありました。そんな拙作を浪曲の素材として選び取っていただきました。これは大変光栄なことと感じております。真山隼人さんと沢村さくらさんの文芸浪曲を、どうぞ、お楽しみください。

この記事の画像(全2件)

浪曲「巷説百物語」~小豆洗いの巻~

2025年7月19日(土)
東京都 北とぴあ ペガサスホール

2025年8月16日(土)
大阪府 朝日生命ホール

スタッフ

浪曲「巷説百物語~小豆洗いの巻~」

原作:京極夏彦

出演

浪曲「京極夏彦物語」

真山隼人
曲師:沢村さくら

鼎談

京極夏彦 / 真山隼人 / 杉江松恋(聞き手)

浪曲「巷説百物語~小豆洗いの巻~」

真山隼人
曲師:沢村さくら

公演・舞台情報

読者の反応

  • 2

薙野信喜 @nonchan_hg

京極夏彦「巷説百物語」が真山隼人により浪曲化、京極「大変光栄なこと」(コメントあり) https://t.co/6Tz6Y03DlU

コメントを読む(2件)

京極夏彦のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 浪曲「巷説百物語」~小豆洗いの巻~ / 京極夏彦 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします