これは結城真央が主宰するあまい洋々の第4回となる本公演。結城が作・演出を手がけ、廃墟文藝部の山﨑陶熙が共同演出を担い、当事者の物語を消費することへの抵抗を描く。高校時代、行方不明になった同級生・ちぃちゃんの白骨死体が見つかった。しかし“外の人”たちはちぃちゃんでおいしそうなケーキを作ろうとしていて……。
開幕に際し結城は「フィクションに対しても、ノンフィクションに対しても、恐れのようなものがある今の結城の考えを、『小さな世界で暴かれた秘密を守ろうとする人』『真実に力があると考える人』『虚構に力があると考える人』の群像劇で描きたい。エンターテイメントの力も借りて、軽やかな手つきでお届けします」とコメントしている。
上演時間は約1時間50分。公演は3月16日まで行われる。
結城真央コメント
たくさんの人たちに支えてもらい、6作品目です。私小説的文脈の強い劇作を続けている中、だんだん外の世界に目を向け他者と関わろうとしているなと思いました。反面、床に伏して鬱々ともがいていた頃の自分も今と地続きで、なかったことにはならないなと思います。
とある現実を題材にして、ルポやドキュメンタリーなど、ノンフィクションとして世間に出されること、ドラマや小説などフィクションとして世間に出されること、どちらにも搾取性や暴力性を感じます。そして、現実の人間に寄り添ったいい作品、センセーショナルに扱うだけの作品がある中で、いい作品にも暴力性はあるのではないかと思います。
あまい洋々では、主宰 結城が子どもの頃の体験を元に演劇作品にしています。だからこそ、その暴力性についても考えてしまいます。でも過負荷環境にある子どもをセンセーショナルに扱い、物語を盛り上げるギミックとして利用している作品を見て、あんなものは絶対に作らない、もっといいものを作ろうとも思います。
フィクションに対しても、ノンフィクションに対しても、恐れのようなものがある今の結城の考えを、「小さな世界で暴かれた秘密を守ろうとする人」「真実に力があると考える人」「虚構に力があると考える人」の群像劇で描きたい。エンターテイメントの力も借りて、軽やかな手つきでお届けします。
あまい洋々「ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ」
2025年3月13日(木)〜16日(日) ※公演終了
東京都 王子小劇場
スタッフ
作・演出:結城真央
共同演出:山﨑陶熙
出演
※U-18、障碍、U-25チケットあり。
ステージナタリー @stage_natalie
軽やかな手つきでお届けします、あまい洋々「ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ」開幕(舞台写真 / コメントあり)
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