当事者の物語を消費することへの抵抗描く、あまい洋々「ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ」

あまい洋々「ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ」が3月13日から16日まで、東京・王子小劇場にて開催される。

これは結城真央が主宰するあまい洋々の第4回となる本公演。結城が作・演出を手がけ、廃墟文藝部の山﨑陶熙が共同演出を担い、当事者の物語を消費することへの抵抗を描く。高校時代、行方不明になった同級生・ちぃちゃんの白骨死体が見つかった。しかしその人たちはちぃちゃんでおいしそうなケーキを作ろうとしていて……。

上演に際し結城は「外側から（偏見まじりで）見られるという暴力への抵抗は、内側からおそるおそる言葉を発信することなのかもしれない」とコメント。さらに「あまい洋々として描き続けてきた社会的に弱い立場にある『みえない子どもたち』。これまではその内側のみを書くことに注力していましたが、これからは、彼らと関わろうとする外側の人たちについても、眼差しを注いでいきたいと思っています。夏の小さな公演を経て、その2作目、本公演。きっと、私にとって大切な作品になると思います。どうか気にかけていただけましたら幸いです」と観客にメッセージを送った。

出演者には結城のほか、東京デスロックの松﨑義邦、前田晴香、小林彩、チカナガチサト、平林和樹、松村ひらり、ラブ・ワールドの百音、若尾颯太、櫻井竜が名を連ねた。