これは、“新NISA”“投資”“FIRE”の3つのテーマと、アントン・チェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」をかけ合わせた新作長編。劇中では、父親から継いだ畑でブドウを栽培している主人公の物語が、作・演出を担う
宮澤は「どうしてチェーホフだったのか。どうして『ワーニャ伯父さん』だったのか。理由を述べることはできるにはできる。けれど、述べられる理由はすべて後から付いてきたものであるような気がしてならなかった。あの時、『ワーニャ伯父さん』と投資にまつわるあれこれが結びついた、あの瞬間の静かな電撃がこの作品には込められてある」とコメントした。なお、同公演は来年1・2月に京都公演が決定している。
チケットの価格は、日経平均株価に準じた価格変動制となる。詳細は公式サイトを確認しよう。
宮澤大和コメント
2024年は「新NISA元年」と呼ばれた。これまでのNISA制度よりもさらに非課税枠が増えて投資を始めるハードルは格段に下がったといえる。その頃からぼくの周囲でも投資の話をする人が増えた。
投資で一発当てて、もしも経済的自立(投資のリターンによって得られる収益だけで生活をすること)を達成できたら仕事を辞めて田舎暮らしでもしようかな。東京で身も心もすり減らすのは散々だ。
ただの飲み会での与太話。だけれども、この会話はなんだか「現代」を克明に描写しているようなしているような気がして、ぼくの心をきゅっと掴んで離さなかった。
次に演劇をつくるときには「新NISA」を、「投資」をテーマにしようと決めたからには、すぐさま証券口座を開設してぼくも投資を始めてみた。
投資を始めて、わりに真剣に投資対象や金融経済をリサーチしていると世界の見えかたがだんだんと変わってきた。演劇を始めたばかりの頃も、世界そのものが大きな「演劇」に見えてきた感覚とちょっと似ている。今、ぼくにはこの世界が大きな「経済の演劇」に見えている。
新NISAをテーマにした演劇は最終的にアントン・チェーホフの名作「ワーニャ伯父さん」と結びついて、実を結ぶようにして新たな物語が生まれた。
どうしてチェーホフだったのか。どうして「ワーニャ伯父さん」だったのか。理由を述べることはできるにはできる。けれど、述べられる理由はすべて後から付いてきたものであるような気がしてならなかった。
あの時、「ワーニャ伯父さん」と投資にまつわるあれこれが結びついた、あの瞬間の静かな電撃がこの作品には込められてある。
ぺぺぺの会「悲円 -pi-yen-」
2025年3月26日(水)〜31日(月)
東京都 ギャラリー南製作所
スタッフ
作・演出:
出演
石塚晴日 / 熊野乃妃 / 佐藤鈴奈 / 宮崎明音 / 侑沙 / 村田活彦 /
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リンク
村田活彦 | やしの実ブックス @katsuhikomurata
ナタリーさんありがとう。新NISA×チェーホフという⁉️な演劇誕生の経緯が、作・演出の宮澤のコメントで語られてます。読んでね。 https://t.co/NFLrmlGW9r