演劇「ライチ☆クラブ」開幕、牧島輝「“心の中の中学生”を喜ばせられる作品に」

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演劇『ライチ☆光クラブ』2025」が、本日1月10日に東京・IMM THEATERで開幕。これに先駆け同日、ゲネプロと囲み取材が行われた。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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これは、古屋兎丸のマンガ「ライチ☆光クラブ」を、谷碧仁の脚本・演出で、新たに舞台化するもの。作中では、工場の黒い煙に包まれた螢光町を舞台に、廃工場に集い、光クラブと名乗る少年たちの物語が展開する。あるとき少年たちは、“ライチ”というマシンを作り上げた。醜い大人になることを拒む彼らは、永遠の美を夢見て1人の美しい少女を捕獲するが……。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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廃工場をイメージした舞台上には、鉄骨や古びた機械などがそこここに設置され、中央には光クラブの“皇帝”ゼラ(牧島輝)の玉座が置かれた。冒頭では、廃工場に迷い込んだ教師・萩尾先生の処刑の様子が描かれる。ゼラの扇動的な言葉に光クラブのメンバーが一斉にドイツ語で「Ja!」と賛意を示し、そのシュプレヒコールが繰り返されるごとに光クラブの熱狂が高まっていく。「ライチ ラライチ ララライチ」という掛け声と共に、彼らが“甘美なる機械(マシン)”ライチ(尾関晃輔)の前でさかずきを干す場面では、真っ赤な照明がメンバーとライチを照らし、これから光クラブを襲う悲劇の幕開けを観客に感じさせた。

光クラブの面々は、同級生からのいじめや実家の借金など、それぞれに問題を抱えている。劇中ではスピーディな会話劇を通じて、はみ出し者である彼らの間にある強い絆と、ライチが少女・カノン(菊池日菜子)を捕獲したことをきっかけに、その絆が崩壊していく様子が描かれた。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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牧島は、鋭い目つきで膨大な量のセリフを操り、光クラブの少年たちを恐怖と暴力で支配するゼラを体現。しかしゼラが自身の子供時代とその母親の幻影を目にして別人のように取り乱す場面で、牧島は追い詰められた表情を見せ、ゼラが抱えるトラウマと危うさを表した。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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退廃的な雰囲気が漂う本作の中で、タミヤ役の岐洲匠は真っすぐで熱っぽいセリフ回しで、誠実で優しいタミヤを演じる。ジャイボ役の中山咲月は、原作でもおなじみの「きゃはっ」という笑い声を高く響かせ、謎めいた美少年として存在感を示しつつ、すごみのある笑顔でジャイボのゼラに対する強い執着を描く。またライチ役の尾関がぎこちない動きでカノンと触れ合い、マシンに芽生えた“人間性”を表現する様子や、そんなライチと心を通わせるカノン役の菊池の温かいまなざしにもぜひ注目しよう。

左から岐洲匠、牧島輝、中山咲月、谷碧仁。

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ゲネプロ前に行われた囲み取材には、牧島、中山、岐洲、そして脚本・演出の谷が出席した。小学生時代に「ライチ☆光クラブ」に出会ったという牧島は「この作品には中二病っぽさがある(笑)。でも誰しも、いくつになっても心の中に14歳の自分がいるはず。だからこの舞台を観ると、見てはいけないものを目にしたワクワク感や、中学生時代の好奇心を思い出して、明日からまたがんばれるのでは。お客様の心の中にいる中学生を喜ばせられる作品になったと思います」と言葉に力を込める。また役柄と自身の似ているところを尋ねられた牧島は、ゼラが“皇帝”を自称していることにちなんで「とにかく帝王であることです。周囲が僕を帝王にしてくれる。帝王ってそういうものだと思います」と真顔で即答し、会場を笑いで包んだ。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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原作マンガではジャイボが一番好きだという中山は「ジャイボが好きだからこそ、うれしさと同時に『どこまで近づけるのか?』と葛藤した」と明かす。中山は役作りについて「ジャイボは美少年なので、美しさを追求するために自分も甘い物を断っていて、アーモンドばかり食べています(笑)」と話し、「この舞台の、“一瞬”の2時間が皆さんにとって“永遠”になれば」と笑顔を浮かべた。

オーディションを受けることが決まって原作マンガに初めて触れたという岐洲は「タミヤを知れば知るほど自分に近い人物だと感じて、『絶対勝ち取りたい』と思った」「自分なりのタミヤを見つけるために、役について考える時間を大切にしました」とコメント。また作品の魅力を尋ねられた岐洲は「本当に秘密基地のような舞台美術で、すごいんです。カンパニー全員の力が重なって、素敵な化学反応が起きると思います」と顔を輝かせた。

会話劇として本作を立ち上げることにこだわったと述べる谷は「全セクションの全員が同じ方向を見て作ったことが強み」と出来栄えに自信をのぞかせ、「好きなキャラはもちろん、『あいつ嫌だなあ!』と思うキャラも見つけて楽しんでもらえると思う」「お客様それぞれがご自分だけの特別な体験をしてほしい。誠心誠意、作品を届けます」と観客にメッセージを送った。

「演劇『ライチ☆光クラブ』2025」ゲネプロより。

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最後に牧島は「取材前、デンタク役の(福崎)那由他に、皆さんに伝えたい言葉を聞いたところ『2025年を皆さんが健やかに過ごせますように』とハートフルなコメントをもらいました。皆さん、この『ライチ☆光クラブ』を観て今年を元気に過ごしましょう!」とあいさつした。

上演時間は約2時間5分。公演は1月26日まで行われる。

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演劇「ライチ☆光クラブ」2025

2025年1月10日(金)〜26日(日)
東京都 IMM THEATER

スタッフ

原作:古屋兎丸(太田出版「ライチ☆光クラブ」)
脚本・演出:谷碧仁

出演

ゼラ:牧島輝
タミヤ:岐洲匠
ジャイボ:中山咲月
ニコ:小西成弥
雷蔵:望月春希
カネダ:芳村宗治郎
デンタク:福崎那由他
ダフ:原嶋元久
ヤコブ:櫻井健人
萩尾先生・常川母:長尾純子
常川寛之:加藤岳 / 伊奈聖嵐
ライチ:尾関晃輔
カノン:菊池日菜子

※加藤岳と伊奈聖嵐はWキャスト。

公演・舞台情報
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©古屋兎丸/ライチ☆光クラブ プロジェクト 2025

読者の反応

Shazma fizaa @S_fizaa

@stage_natalie すごいですね、これは今後数日で役に立ちます

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