長谷川寧演出の新作ミュージカル「インファナル・アフェア」上海で開幕

長谷川寧が演出・振付を担うミュージカル「インファナル・アフェア」上海公演が、去る12月20日に中国・上海大劇院 大劇場で開幕した。

これは、2002年に公開された香港ノワール映画「インファナル・アフェア」をもとに、演出・振付を長谷川、音楽をウィリアム・ルソーが手がける新作ミュージカル。

開幕に際し、長谷川は「今回、中華圏のみならず世界的に知られたこの伝説的映画を舞台化するにあたって色々な試行錯誤があった。原作が既に実写である、という事も私にとっても初めての挑戦。それはポジティブに捉えるべきか、ネガティブに捉えるべきか。或る意味での答えを提示された状況で、どう舞台として提示するべきなのか。ずっとそんな事を頭の片隅に置いて作って来たけれども、どんな手付きでこの作品と向き合うかどうか、結果はいつもやっている事とそう変わらなかった。セットの模型を持ち帰っては、まるでプラモデルに没頭する少年の様に、脚本とああでもないこうでもない、とバラバラにしては繋ぎ合わせ稽古場で試し、壊しては作り、話し合い、壊しては作り、話し合い。その繰返しで答えを見つけて行く作業。但しいつだって最後のピースは観客席が埋まってからでないとわからない事だらけだ。それこそ本作に於ける組織内のスパイ探しの様に、作品づくりにはいつだって見えない何かが潜んでいる。この世界初演の上演中もずっと、それを相変わらず大陸で探し続けている事だろう。劇場に集う人々と、無間地獄を味わう事が出来れば幸いです」と語った。

ミュージカル「インファナル・アフェア」は12月27日まで上演される。なお、同じく上海にある北外滩友邦大剧院では、長谷川演出・振付のミュージカル「人間失格」が26日から29日まで上演される。ミュージカル「人間失格」は2021年に上海で初演された作品で、作曲をフランク・ワイルドホーンが担当した。