再演もCANCAN!「ムーラン・ルージュ!」開幕に望海風斗・平原綾香らが“熱い日々”誓う

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ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」が、明日6月20日に東京・帝国劇場で開幕。これに先駆けて本日19日に囲み取材とゲネプロが行われた。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」囲み取材の様子。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」囲み取材の様子。

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本作は、2001年に公開されたバズ・ラーマン監督の映画「ムーラン・ルージュ」をミュージカル化したもの。劇中では1899年、パリのナイトクラブであるムーラン・ルージュを舞台にしたストーリーが展開。クラブの花形スターであるサティーンとアメリカ人作曲家クリスチャンは、激しい恋に落ちるが……。日本では昨年初演され、今回は再演。なお本日のゲネプロでは、サティーン役を望海風斗、クリスチャン役を甲斐翔真、ハロルド・ジドラー役を松村雄基、デューク(モンロス公爵)役を伊礼彼方が務めた。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)

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劇場に入ると、ステージや客席は真っ赤な照明で照らされ、舞台上手には大きなゾウのオブジェ、下手では電飾付きの風車が回転している。1階前方席の頭上にはシャンデリアが吊るされ、舞台には照明で飾られたハート型のアーチや、「MOULIN ROUGE」のロゴが輝く。ステージでは開演前からアンサンブルの姿があり、プレショーとしてマジックも披露され、観客のボルテージは高まっていく。やがてステージにクリスチャンが現れると、幕の後ろから4人のダンサーも登場して声高らかに歌い始め、観客を一気に作品の世界へ引き込んだ。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)

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本作には約70曲のポピュラーミュージックがちりばめられている。ブランコに乗って登場したサティーンは、ダイヤモンド型の舞台装置をバックに「Diamonds Are a Girl's Best Friend」(マリリン・モンロー)や「Single Ladies (Put a Ring on It)」(ビヨンセ)などがマッシュアップされた楽曲で華々しくパフォーマンスを披露した。また本作には、松任谷由実をはじめとしたアーティストたちが日本公演版の訳詞を提供している。松任谷が訳詞した「Your Song」(エルトン・ジョン)の歌詞にもぜひ耳を傾けよう。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)[拡大]

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)

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きらびやかな衣裳に身を包んだ出演者は、パワフルな歌とダンスで熱量高くステージを立ち上げる。望海は多彩な楽曲群を歌いこなして観客を魅了。サティーンらがデュークに新作舞台の企画をプレゼンテーションするシーンではコミカルな演技で観客を笑わせつつ、2幕では運命に翻弄されるサティーンの葛藤を歌声や表情ににじませ、望海は演技力の幅広さを見せた。甲斐はパワフルな歌声で、クリスチャンの若さやサティーンへの熱い恋心を表現。後半、クリスチャンが恋に溺れるあまり、アブサンに酔ってサティーンを忘れようとするシーンでは、甲斐は夢と現実の境界で苦しむ姿を見せ、観客を惹き付けた。

左から望海風斗、平原綾香。

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ゲネプロ前、帝国劇場の2階客席で行われた囲み取材には、サティーン役の望海、平原綾香、クリスチャン役の井上芳雄、甲斐、ハロルド・ジドラー役の橋本さとし、松村、デューク(モンロス公爵)役の伊礼、Kが出席した。登壇したキャストはいずれも初演から続投。望海は、初演の際に取材で「衣裳の露出が多く、父が『2階席じゃないと観られない』と言っている」と語っていた。これについて望海は「父は1階席で初演を観ていましたが、『がんばっていたね』くらいしか感想は聞いていません」と笑い交じりに明かす。平原はオーストラリアとアメリカ・ニューヨークでも本作を観劇したことを明かし、「日本版には日本版の良さがあると感じた。昨年(映画「ムーラン・ルージュ」の)バズ・ラーマン監督が『日本版が一番泣けた』と言ってくれました。“泣ける”を売りにがんばりたい」とアピールした。

左から井上芳雄、橋本さとし、K。

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井上は「チケット代以上のものを届けようとがんばっています。今回は舞台の見え方も調整されたので、より多くのお客様に楽しんでほしい。皆さん、どうぞ(チケットの購入は)お早めに!」と冗談めかして語る。また井上が「ロンドンの舞台『千と千尋の神隠し』には負けない」と発言すると、「舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』」出演者でもある橋本が「複雑な気持ちです……」と打ち明け、会見場を笑いで包んだ。甲斐は「今年もクリスチャンとして、サティーンからもらった愛を送ります」と言葉に力を込める。また甲斐は、昨年の初演終了後、パリのムーラン・ルージュを訪れたことに触れて「より鮮明にこの物語を届けられそう」と顔を輝かせた。

左から伊礼彼方、松村雄基、甲斐翔真。

左から伊礼彼方、松村雄基、甲斐翔真。[拡大]

橋本は「1年で体型がグレードアップし、衣裳のサイズもアップしました。人間は成長しますね」と笑いを誘い、「脂身こってりのジドラーをお届けしたい。一緒に“CANCAN!”して、劇場でストレスを発散してください」と、劇中歌「Because We Can」の歌詞を引用しながら観客に呼びかける。松村は「僕は“こってり”ではなくあっさりかもしれませんが(笑)、作品の猥雑さやエロい部分を出しながらジドラーをやれたら」と、橋本の発言に触れつつ抱負を述べた。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」2023年公演の様子。(写真提供:東宝演劇部)[拡大]

「客席から歓声が聞こえてうれしかった」と初演を回顧する伊礼は「もう一度真っ赤な世界に浸り、“赤い血”をどんどん広めてほしい」とコメント。Kは前回公演を「ロックコンサートのような盛り上がりでした」と振り返り、「悪役であるデュークの動きによって、ストーリーの見え方が変わってくる。がんばりたい」と意気込みを述べた。

最後はキャストが改めてあいさつした。平原は「『最期を迎えようとしている人の生命力が一番強い』と聞いたことがあります。心臓の最後の1音までカッコよく生きるサティーンを演じたい」と言葉に力を込め、望海は「お客様と一緒に、劇場で毎日エネルギーを爆発させたい。とにかくだまされたと思って来てください! 熱い日々を過ごせたら」と気合十分に話した。

上演時間は休憩を含む約3時間。東京公演は8月7日まで行われ、その後本作は9月14日から28日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。

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ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル

2024年6月20日(木)~8月7日(水)
東京都 帝国劇場

2024年9月14日(土)~28日(土)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

出演

サティーン:望海風斗 / 平原綾香
クリスチャン:井上芳雄 / 甲斐翔真
ハロルド・ジドラー:橋本さとし / 松村雄基
トゥールーズ=ロートレック:上野哲也 / 上川一哉
デューク(モンロス公爵):伊礼彼方 / K
サンティアゴ:中井智彦 / 中河内雅貴
ニニ:加賀楓 / 藤森蓮華
ラ・ショコラ:菅谷真理恵 / 鈴木瑛美子
アラビア:磯部杏莉 / MARIA-E
ベイビードール:大音智海 / シュート・チェン

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