「ムーラン・ルージュ！」に平原綾香が「毎日感動」、望海風斗は父の“観劇条件”明かす

「ムーラン・ルージュ！ザ・ミュージカル」のプレビュー公演が、本日6月24日に東京・帝国劇場で開幕。これに先駆け本日、同劇場で囲み会見が行われた。

本作は、2001年に公開されたバズ・ラーマンの監督作「ムーラン・ルージュ」をミュージカル化したもの。1899年のフランス・パリで、アメリカ人作家クリスチャンと、ムーラン・ルージュの花形スターであるサティーンは激しい恋に落ちるが……。取材にはサティーン役の望海風斗、平原綾香、クリスチャン役の井上芳雄、甲斐翔真、ハロルド・ジドラー役の橋本さとし、松村雄基、デューク（モンロス公爵）役の伊礼彼方、Kが出席した。

会見は帝国劇場の2階席で行われ、赤を基調としたゴージャスな舞台セットをバックに出演者がズラリと並んだ。舞台セットについて望海は「ステージに立っているとわかりませんでしたが、ゲネプロを観て『こんなにすごいんだ』と驚きました。早く客席の皆さんを素晴らしい世界にお連れしたい」と期待をのぞかせる。平原は「自分で演じながらサティーンとクリスチャンの姿に毎日感動しています。この作品で一番素敵なのは、人を愛すること。きっとお客様の心に『愛してる』という言葉が残ると思う」と観客にメッセージを送った。

望海と平原は、かつて同じバレエ教室に通っていたという。平原は「当時は2人ともすごいレオタードを着ていたけど、今回再会してもレオタードだったね（笑）。お互いこんなあらわな姿を見せるとは思いませんでしたが、キャスト全員オーダーメイドの衣裳でカッコいいです。ぜひ注目してください」と衣裳の美しさをアピール。宝塚歌劇団で男役だった望海は、露出度の高いドレスについて「ファンの方の心が心配」と述べて報道陣を笑わせる。また望海は自身の父が「2階席じゃないと観られない」と観劇に条件を出していることを明かし、「父にとっては、“息子”が急に娘になってしまった気持ちみたいです」と、父の複雑な心境を笑い交じりに語った。

甲斐は「この物語はクリスチャンが始めるのですが、ゲネプロを観て泣きました」と言い、「『ムーラン・ルージュ！』の世界が日本に来たんだ、これを日本の観客の皆さんに届けられる場所ができたんだ！と思ったら鳥肌が立つほど感動した。開幕が待ちきれません」と喜びをかみ締める。Wキャストの井上は甲斐の言葉に「冒頭の僕の演技を見て泣いたのかと思ったら、違うんですね……いや、全然良いんですよ！」と続け、会見場を笑いで包んだ。

井上は「僕は“Wキャストを意識する芸風”ですが（笑）、今回みんな仲が良くて素敵です。甲斐くんとは年齢が全然違うけど、学びと刺激がたくさんある」と笑顔を見せ、「僕は20年以上帝劇に立っていますが、こんなに気合が入った舞台セットは観たことがない。『何があったんだろう』というくらい“決死の覚悟”を感じます」と冗談交じりに述べ、「とにかく作り手の本気が伝わってきますし、そうでなければ成立しない舞台です。チケット代は高いですが、この舞台を安全に行うためにはどうしても必要だなと思う。それくらいすごいです！」と思いを語った。

初のWキャストだという松村が「バディのさとしさんに助けてもらっている。さとしさんへの憧れと尊敬を持って舞台を務めたい」「ジドラーは華やかでユーモラス。さとしさんは演じなくても、もうジドラーそのものです。台本にとらわれないさとしさんの自由さを、自分もなんとか取り入れたいです！」とコメント。これを受けて井上が「でもさとしさんは反面教師ですよね」と茶々を入れると、橋本は「松村さんは稽古から常に完璧でしたが、僕は数字が苦手で『立ち位置は12番だっけ、14番だっけ』とすぐわからなくなる」と苦笑い。さらに橋本は「セリフも忘れがちですが『流れを止めないぞ！』という気合でしゃべり続けています」と一同を笑わせた。

シンガーソングライターのKがミュージカルに出演するのは、2008年の「RENT」以来2回目。Kは「何を見て勉強すべきかわからなかったのですが、伊礼さんがお手本になってくれました。Wキャストが伊礼さんで良かった。今日のプレビュー公演からも、しっかり盗みたいと思います」と伊礼に視線を送る。伊礼は「僕に先にやらせて盗むから、彼はずるいんです！」と笑いつつ、「（デュークという）新しいヒール役が日本に来ました。ミュージカル界の貴族枠、クズ枠、ヒール枠、すべて伊礼彼方のものです！（笑） 今回は“初演ヒール”をKくんと作り上げてきました。物語を盛り上げていけたら」と気合十分に話した。

また会見の後半には、映画「ムーラン・ルージュ」のラーマン監督がサプライズ登場する場面も。ラーマンはゲネプロを「日本語はわからないが、きっと素晴らしい翻訳なのだろうと思った。ラストの悲劇的なシーンでは、本当に感動した」と振り返り、「今夜はプレビューの初日ですね。特別なスーツを着て観劇します！」と一同を沸かせた。

プレビュー公演は6月28日までとなり、本公演は29日から8月31日まで行われる。