東京・東京文化会館の2024年度主催事業ラインナップ記者発表会が、本日3月15日に東京文化会館内にて行われた。
東京文化会館では、新たな舞台芸術の創造発信、幅広い層への教育普及、専門人材の育成を柱に多彩な事業を展開。記者発表会には東京文化会館の音楽監督・野平一郎、猪俣聖人副館長、梶奈生子事業企画課長、そして司会の大橋昭則営業推進担当課長が出席し、2024年度の主催事業を紹介した。
2024年度、東京文化会館 小ホールでは4本の舞台公演が開催される。青少年向けの「シアター・デビュー・プログラム」として、7月12・13日に
「シアター・デビュー・プログラム」で上演される2作品はいずれも新作となる。梶事業企画課長は「木のこと The TREE」について「ペヤンヌマキさんと舞踏の
「オペラBOX」は東京音楽コンクール入賞者を起用してオペラを上演するシリーズ。今回は2018年に上演された「トスカ」が、園田隆一郎の指揮・音楽統括、粟國淳の演出で再演され、関連企画として、青少年向けのワークショップ「オペラをつくろう!」が行われる。梶事業企画課長は「トスカ」について「コンクールに入賞した若手の支援に力を入れます。子供も参加するオペラとして高く評価されている取り組みなので、ぜひ劇場に足をお運びいただけたら」と語った。また歌劇「水車屋の美しい娘」は、岩田達宗の演出で既存の歌曲集をオペラ化する企画の第2弾。今回はバリトンの小森輝彦、ピアノの井出徳彦、ダンスの船木こころが出演し、ダンスと声楽のコラボレーションを展開する。
東京文化会館ではこのほかに、現代と古典の音楽がクロスオーバーする新プロジェクト「フェスティヴァル・ランタンポレル」を11月27日から12月1日まで開催。フランス・ニームのレ・ヴォルク音楽祭や、フランス・パリのIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)と連携して行われるこのプロジェクトでは、コンサートやレクチャーに加え、舞台芸術創造事業として「IRCAMシネマ『狂った一頁』~ポンピドゥー・センターと歴史的無声映画のコラボレーション~」が行われる。このプログラムでは、川端康成原作、衣笠貞之助監督による1926年の無声映画「狂った一頁」が、IRCAMと作曲家の平野真由によって付曲された電子音楽と共に上映される。
「フェスティヴァル・ランタンポレル」をプロデュースする野平は、“時代を超えた”という意味を持つフランス語“アンタンポレル”がイベント名のもとになっていることに触れて、「現代音楽の世界は専門化している。もっと一般の方にも関心を持ってもらう方法はないかと考えて生まれた企画です」と企画意図を語る。開催に向け野平は「この音楽祭では、現代音楽に関する解説を付けることも考えています。どんな現代音楽をどう聴けばいいのかをお伝えすることで、皆さんに興味を持ってもらいたい」と述べた。
シアター・デビュー・プログラム「木のこと The TREE」
2024年7月12日(金)・13日(土)
東京都 東京文化会館 小ホール
脚本・演出:
音楽監督・作編曲:林正樹
出演:
東京文化会館オペラBOX「トスカ」[全3幕 / 原語(イタリア語)上演・日本語字幕付]
2024年9月15日(日)
東京都 東京文化会館 小ホール
作曲:ジャコモ・プッチーニ
指揮・音楽統括:園田隆一郎
演出:粟國淳
出演
トスカ:迫田美帆
カヴァラドッシ:宮里直樹
スカルピア:井出壮志朗
アンジェロッティ・看守:奥秋大樹
スポレッタ:鈴木俊介
シャルローネ:大久保惇史
堂守:久保田真澄
羊飼い:清水理恵
プレトーク:朝岡聡
演奏:高橋裕子(ピアノ)ほか
合唱:コーロ・サンタンドレア
児童合唱:バンビーニ・ロマーニ (ワークショップ「オペラをつくろう!」参加者)
※高橋裕子の「高」ははしご高が正式表記。
歌劇「シューベルト 水車屋の美しい娘」[原語(ドイツ語)上演・日本語字幕付]
2024年11月9日(土)
東京都 東京文化会館 小ホール
作曲:フランツ・シューベルト
演出:岩田達宗
振付:山本裕
出演
バリトン:小森輝彦
ピアノ:井出徳彦
ダンス:船木こころ
※井出徳彦の「徳」は旧字が正式表記。
シアター・デビュー・プログラム 平常×萩原麻未「ロミオとジュリエット」
2025年1月31日(金)・2月1日(土)
東京都 東京文化会館 小ホール
原作:
脚本・演出・人形操演:
出演:萩原麻未(ピアノ)
音楽構成・選曲:宮田大
音楽監督:矢野雄太
オペラ・エクスプレス @operaexpress
【会見レポート】東京文化会館の2024年度ラインナップにペヤンヌマキの新作「木のこと The TREE」ほか https://t.co/DUzeoWEq3E