1951年にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイで初演された「
北村は「オファーをいただいたときは、特に歌への壁を感じ、お断りするつもりでした。ただ自分が俳優を始めた頃にアクションや日舞、バレエ、声楽などいろいろなことを学んでいて、その中で今作のプロデューサーと声楽の発表会をやったことがありました。その発表会を覚えてくれていたプロデューサーが『絶対できます』と背中を押してくれたこともあり、お引き受けすることになりました」と明かし、「観客の皆さんを良い意味でびっくりさせられるように、悔いのないよう、やれることはすべてやろうと思っています」と意気込んだ。
明日海は、相手役が北村だと知ったときの率直な感想を記者から問われ、「すごく迫力のある王様になりそうだなと。こんなに気さくな方だと知らず、怖いかなと思っていました(笑)」と打ち明ける。すると北村も「僕こそ、宝塚のトップだった方というだけで、すごくプレッシャーだったんですよ。もし(明日海が)怖い人で『アンタ、できるの?』とか言われたらどうしようとか思っていました」と笑いつつ、「今は、良い"ものづくり”が一緒にできる仲間だと思っています」と明日海への信頼を口にした。
本作では、19世紀後半のシャムを舞台に、国籍や身分の異なる王様とアンナが心を通わせる姿を、小林が新演出で描き出す。「70年以上前に作られた作品をどのようにアップデートするか」と記者から問われた小林は、「本作に古い価値観が残っていることは否めないですが、同じ原作でも翻訳・訳詞の仕方で新しい時代のフィルターを通して届けることができると思い、自分が翻訳・訳詞も担当することにしました。本作の魅力の1つは、まったく違う種類の2人が出会い、わかり合おうとし、理解し始め、愛が生まれていくという点。世界のあちこちで分断が起こり、格差や憎悪が広がる今の時代に、この美しいテーマを届ける意義は(作中に)古い価値観が残っていても、余りあると思います」と考えを語った。
北村は「エンタテインメントの歴史において、新しいことにチャレンジする勇気は大切なことの1つだと思います。自分自身、今回の出演に勇気を持って臨んでいますが、新しいものを取り入れる考え方は賛成です」と述べ、明日海は「数十年前に作られた作品とはいえ、アンナの精神は決して古く感じられないですし、王様たちも新しさを受け入れる心を持っている。それがこの作品が色褪せない所以だと感じます。それに王様とアンナは正反対に見えて、頑固さや譲らない部分など共通点もたくさん。そんな2人の姿を、舞台の上で毎回新鮮に描き出すことができたら良いなと」と思いを語った。
製作発表では、現時点で何か役作りに取り組んでいるかと司会が2人に問うシーンも。北村は「8月頃にオファーを受けて、すぐにボイストレーニングを始めました。(ボイトレの)先生に会わない日は1人でカラオケボックスに行き、マイクを持たずに譜面を持って練習しています」と回答する。同じくカラオケ店で歌を練習するという明日海は、北村から「もしかしたら会うかもしれないですね」と言われるも、「今のところは違うカラオケ店みたいです」と返して場を和ませた。また小林からは、北村が少しでも早いうちから歌を練習できるよう、王様パートの訳詞から仕上げたことが明かされた。
なお今回の製作発表をもってメインビジュアルとスポット映像が解禁された。公演は4月9月から30日まで東京・日生劇場、5月4日から8日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで行われる。チケットの一般前売は2月17日10:00にスタートする。
ミュージカル「王様と私」スポット映像
ミュージカル「王様と私」
2024年4月9日(火)~30日(火)
東京都 日生劇場
2024年5月4日(土・祝)~8日(水)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
音楽:リチャード・ロジャース
脚本・歌詞:オスカー・ハマースタインII
翻訳・訳詞・演出:
キャスト
王様:
アンナ:
タプティム:朝月希和
ルンタ:竹内將人
チャン王妃:木村花代
ラムゼイ卿:中河内雅貴
オルトン船長:今拓哉
クララホム首相:小西遼生
アンサンブル:井口大地、伊藤かの子、風間無限、笠行眞綺、金子桃子、河野駿介、黒田陸、酒井航、島田彩、鈴木遼太、聖司朗、西尾真由子、福満美帆、松田未莉亜、丸山泰右、宮河愛一郎、村上貴亮、村上すず子、矢野友実、吉田玲菜、植木達也、油井杏奈
※植木達也と油井杏奈はスウィング。
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