朗読劇「エダニク」スタート、新木宏典「試行錯誤の繰り返しでした」と思い語る

朗読劇「エダニク」が昨日11月27日に東京の座・高円寺2にて開幕した。

「エダニク」は劇作家・横山拓也が第15回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した、2009年初演作。“生きるとは何か”をテーマに、食肉加工センターで繰り広げられる男3人の軽妙な会話劇で、今回は昨年、横山の戯曲「人の気も知らないで」を手がけた荒井遼の演出のもと、朗読劇として立ち上げられる。キャストは日替わりとなり、新木宏典、猪野広樹、伊藤裕一、上田堪大、なだぎ武が一部役替わりで3人の男たちに扮する。

開幕に際し新木は「朗読劇『エダニク』が開幕します。ストレートプレイの戯曲を朗読劇にするにあたり、色々と頭を抱える部分もあり、試行錯誤の繰り返しでした。朗読劇の稽古期間は短く、戯曲を朗読劇台本に修正するための書き込みは、朗読するのが難しい程に……。この戯曲の面白さを伝えられるよう、精一杯努めます」とコメント。

猪野は「演劇として上演されてきたこの作品を朗読劇という形で今回演じさせて頂きます。稽古をやる度に、『これは演劇でやってみたい』と思わされました。ここまで会話劇に特化した朗読劇をやらせて頂くのは初めてなので難しさもありますが、コメディとして皆様に楽しんでいただければ幸いです！」と観客にメッセージを送る。

なだぎは「エダニク（枝肉）と言う我々からすれば普段聞きなれない言葉。そんな言葉を日常に過ごす人達の、命にまつわるテーマの朗読劇です。舞台では再演をされ続けてる作品。この台本に触れて、自分自身もヒリヒリするメッセージが沢山ありました。当たり前のものの感覚を今一つ改めて考えらさせられる物語です。とは言え、観て笑える舞台でもあるので、是非とも楽しんで観て頂けたらと思います」と作品への思いを語る。

また演出の荒井は「俳優たちが織りなす深刻と滑稽。悲喜劇。動き回ったりするわけではありませんが、動的な朗読劇です。劇場入りして、照明、映像、音響効果が加わって、より一層立体的な朗読劇が出来上がりつつあると、今、仕上げ作業をしながら思っています。お待ちしております」と語った。

朗読劇「エダニク」は11月30日まで行われる。