「かげきしょうじょ!!」は、女性のみからなる紅華歌劇団の人材育成を目的とした紅華歌劇音楽学校に、第100期生として入学した十代の少女たちの奮闘や葛藤を描いたマンガ。2021年にはテレビアニメ化もされた。舞台「かげきしょうじょ!!」では、脚本を
物語は紅華歌劇音楽学校の合格発表シーンからスタート。階段が組まれたステージには、“オスカル様”に憧れる渡辺さらさ(
劇中では第100期生たちの青春物語が、歌やダンス、劇中劇などを交えながら展開。紅華歌劇音楽学校の生徒たちが清掃に取り組む場面では、キャストたちがほうきをステッキ、バケツをハットのように使い、ダンスパフォーマンスを繰り広げた。
さらさ役の志田は、くるくると変わる表情や明るい笑顔で観客を魅了。天真爛漫なさらさをエネルギッシュに演じ、ストーリーを牽引した。二瓶は周囲の人々に関心がない愛を、声の抑揚や表情を抑えた演技で表現する。愛がさらさに心を開き、将来の夢を見つける場面では、瞳を輝かせて愛の心境の変化を表した。
佐藤はきびきびとした動きで紗和の真面目さを表す。その一方で佐藤は、紅華歌劇団の話題になると自分の世界に入ってしまう紗和のオタクな一面をコミカルに演じ、観客を和ませた。さらに佐々木演じる彩子は2幕でソロ曲「My Sunset」を披露。佐々木の澄んだ力強い歌声に、観客は大きな拍手を送った。
ゲネプロ前に行われた囲み取材には、さらさ役の志田、愛役の二瓶、紗和役の佐藤、彩子役の佐々木が登壇。志田は「みんなに支えられた1カ月でした」と稽古を振り返り、「みんなで助け合い、切磋琢磨できた。『初めまして』の皆さんともすぐに仲良くなれました。舞台上にもその仲の良さが出ていると思うので、楽しんで」と観客にメッセージを送る。二瓶は「舞台でしか観られない『かげきしょうじょ!!』になりました。何度も足を運びたくなると思います」と出来栄えに自信をのぞかせ、「今の私たちにしか作れない作品です。千秋楽までこの思いをぶつけてがんばりたい」と言葉に力を込めた。
佐藤は自身が演じる紗和について「自分で髪を結びながら『紗和にも、毎朝こうしてピシッと髪を整えるルーティーンがあるのかも』と思っています。キャラクターとリンクできている気がする」と述べ、「原作マンガとアニメ版がありますが、紅華歌劇音楽学校の雰囲気をリアルに体感できるのは舞台版だけだと思います」と話す。また佐々木は自身が演じる彩子に対し、「歌が好きで引っ込み思案なところが自分と似ています」と共感を寄せ、「何度演じても涙が枯れないくらい、彩子に感情移入しています。大切に演じたい」と意気込んだ。
会見では共演者が、志田の“さらさらしさ”を語る場面も。佐藤は「変な子です! 集団行動のシーンで、音々ちゃんはなぜか先導役の私と一緒に『1・2!』と声を出していて……そういうところがさらさっぽい(笑)」と明かす。二瓶もうなずいて、「ダンス稽古で、音々ちゃんは楽しくなると『ヘイ!』って言ってました」と裏話を明かし、会場を笑いで包んだ。さらに二瓶は「音々ちゃんは“ナチュラルボーンさらさ”。音々ちゃんは『みんなに支えられた』と言ってくれましたが、彼女の明るさにいつも救われていました」と、志田に笑顔を向ける。志田が喜びのあまり泣き出したふりをすると、二瓶は即座に「泣いてないだろ!(笑)」とツッコみ、座組の仲むつまじさをのぞかせた。
最後に志田が「原作とアニメ版をリスペクトして稽古してきました。『お客様が座席に座ったらいつも通り演じられるかな?』という不安もありますが、そのリアルな感情も乗せてお芝居し、お客様と一緒に味わえたら」とあいさつし、取材は終了した。
上演時間は休憩10分を含む約2時間30分。公演は10月22日まで行われる。
舞台「かげきしょうじょ!!」
2023年10月18日(水)~22日(日)
東京都 こくみん共済 coop ホール / スペース・ゼロ
原作:
脚本:
演出:
音楽:斉藤恒芳
振付:松本稽古
キャスト
渡辺さらさ:
奈良田愛:二瓶有加
杉本紗和:
星野薫:
山田彩子:
沢田千夏:
沢田千秋:和泉風花
野島聖:青山なぎさ
中山リサ:
竹井朋美:深沢萌華
奈良田太一:
橘直美:桃菜
小野寺保:
安道守:
奈良田君子:
穴井一尉(声):
※高橋果鈴の「高」ははしご高が正式表記。
※初出時、人名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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