「『浅草キッド』を舞台化するなら僕」福原充則が決意表明、林遣都らも意気込み

林遣都が主演を務める音楽劇「浅草キッド」の製作発表が本日8月31日に東京都内で行われた。

音楽劇「浅草キッド」は、ビートたけしの青春自伝小説「浅草キッド」（講談社）を原作にした舞台作品。テレビドラマ化、映画化された人気作が、福原充則の脚本・演出により初めて舞台化される。

会見には、北野武役の林ら4人のキャストと福原が出席。林は「福原さんの脚本を読み、（音楽・音楽監督を担う）益田トッシュさんの音楽を聴き、共演者の方々とお芝居をしたときに自分が感じた感動を、お客様に届けたいと思っています。皆さん、ウキウキした気持ちになっていただけたら」と意気込みを語る。

福原は「オファーをいただいたとき、『この作品は僕ではなく、ほかのクリエイターの方のほうが面白くできる気がしますよ』とお返事をすることがあるんです。面白くできる自信はないんですけど……ただ今回は、『浅草キッド』を舞台化するなら僕がやらないといけない、そう思ってお受けしました」と胸の内を明かした。

青年・武の人生を決定付けた師匠・深見千三郎役の山本耕史は、作品の印象について「時代設定としてそんなに昔ではないのに、人と人との距離が近かったことを感じる昭和のお話。メディアに進出することができれば無限の可能性が広がっていた一方で、それに手が届かない人がいたことが浮き彫りになり、より切なく感じます」と感想を述べる。

武の先輩芸人・高山三太役の松下優也は「思った以上に歌わせていただけそうです」と顔をほころばせつつ、「浅草フランス座演芸場東洋館が舞台なので、実際にお客さんが入り、僕たちがステージ上で演じることで、より“映える”（舞台化する意味がある）のではないでしょうか」と期待を明かす。のちにビートきよしとなる兼子二郎役の今野浩喜は「音楽劇って食わず嫌いの方がいると思うんですけど、福原さんが作る音楽劇はちょっと泥臭いので、恐れずに観に来てください（笑）」と観客に呼びかけた。

また会見では、武と深見が師弟関係であることにちなみ、「自分にとっての師匠は誰か？」という質問が報道陣から投げかけられるひと幕も。林は「本作の歌唱指導をしてくださっている益田トッポさん。この方に出会って、歌を習うことができて良かった」、今野は「自分の初舞台の演出家だった福原さん。影響を受けすぎて、僕が書くサインは福原さんのものとほぼ一緒（笑）」、山本は「妻も子供もある意味師匠。自分が演じる深見さんは“師匠とはどういうものなのか”ということを教えてくれた人」と回答。松下は、ミュージカル「太平洋序曲」にWキャストで出演した山本に視線を送り、「もちろんコージ・ヤマモトです。同じような世代の方とWキャストを務めることはありますが、大先輩とご一緒させていただくことはまれ。学ぶところばかりでした」と山本をたたえた。

最後に福原が「ジメジメするような哀愁はたけしさんも深見師匠も好まないと思うので、意地を張ってでも空元気に振るまって悲しみを描きたい」と決意表明し、会見を締めくくった。

音楽劇「浅草キッド」の公演は10月8日から22日まで東京・明治座、30日から11月5日まで大阪・新歌舞伎座、25・26日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホールで行われる。チケット販売は9月2日10:00にスタート。