10周年のソノノチが、Robin Owingsと“共演”「あなたは きえる」

ソノノチ×Robin Owings「あなたは きえる」が7月20日から23日まで京都・アトリエみつしま Sawa-Tadoriにて上演される。

ソノノチは“その後（のち）、観た人を幸せな心地にする作品をつくる”をコンセプトに、京都を拠点に活動しているパフォーミングアートグループ。結成10周年企画と銘打たれた今回は、京都市在住のアーティスト・Robin Owingsによるインスタレーションとの共演パフォーマンスを披露する。

上演に向けて演出の中谷和代は「数えきれないほどたくさんのものがきえて、見えないけどたしかにそこにいる。そして、きえてしまったものたちの果てに、わたしもあなたも立っている。カーテンの隙間からはいつでも、そのささやきに耳を傾け、気配を感じることができます。あなたはきえる。何度でも確かめるために、この作品もまもなく姿をあらわすことになります」とコメントした。

なお21日17:00開演回は作曲家の高木日向子、22日13:00開演回はRobin Owingsをゲストに迎えたアフタートークを実施する。

中谷和代コメント

わたしには、乳歯はもう二度と生えてきません。逆上がりができたとき。白髪を最初に見つけたとき。初めて人を好きになったとき。大切な人を失ったとき。あの時、一体どんな気持ちだったんだろう。

窓の外に季節が過ぎるのと同じように、わたしたちは新陳代謝を繰り返して日々、ゆっくり、ゆっくりと変化していきます。その中で多くが遠ざかり、そのままどこかに置き去りにしてきたような気がします。カーテンが引かれ、今や取り戻すことも思い出すこともできないけれど、今のわたしを象っているのは、そのカーテンの隙間から見える薄い影の集まりではないかと、最近思うのです。

数えきれないほどたくさんのものがきえて、見えないけどたしかにそこにいる。そして、きえてしまったものたちの果てに、わたしもあなたも立っている。カーテンの隙間からはいつでも、そのささやきに耳を傾け、気配を感じることができます。

あなたはきえる。何度でも確かめるために、この作品もまもなく姿をあらわすことになります。