福岡・博多座で、2月に「二月花形歌舞伎」が上演される。これに先駆け、出演者の
「二月花形歌舞伎」では、2月5日から19日まで「新・三国志 関羽篇」、21日に猿之助が監修し、若手が活躍する公演「夢見る力-特別舞踊公演-」が披露される。「新・三国志 関羽篇」で演出を担い関羽を勤める猿之助は、作品の魅力を「男の世界になりがちなところを、(脚本・演出の)横内謙介先生の新解釈で恋愛要素も取り入れています。また今回は、『三国志』の世界がわかるように、冒頭に映像で解説を入れました。言葉も、現代語とまではいきませんが、テレビの時代劇くらいの言葉遣いですので、(歌舞伎を観るのが)初めての方でもお気軽に楽しんでいただけるのでは」と語る。
また猿之助は、「新・三国志 関羽篇」が今年3月に東京・歌舞伎座でも上演されたことに触れつつ「博多座では、より新しく生まれ変わった『新・三国志』をお目にかけます。歌舞伎座では削った、團子による本水を使った大滝の立廻り場面を復活させ、限られた劇場でしかできない斜め宙乗りを私が勤めます。歌舞伎座上演版とは結末も変わり、ストーリーを原作寄りに戻すので、歌舞伎座でご覧になった方も、違いを楽しんでいただけるのでは。博多座の良さをフルに生かした演出で、コンパクトにお手軽にお楽しみください」と述べた。
團子は、歌舞伎座での上演版に続き、関平を演じる。同役は、猿之助が亀治郎を名乗っていた時代に演じていた役。團子は「『新・三国志』は子供の頃におじいさま(市川猿翁)の映像を観て楽しんでいました。実際に自分が関平を演じ、課題にぶつかったことで、より一層猿之助さんのすごさがわかりました」と猿之助への尊敬を言葉ににじませる。さらに作品について「“人のつながり”や“受け継がれる思い”が魅力だと思います」と話した。
1日限りの公演となる「夢見る力-特別舞踊公演-」には、坂東新悟と中村福之助による「お国山三 春霞歌舞伎草紙 中村福之助宙乗り相勤め申し候」、市川青虎、團子、市川卯瀧、福之助による「猿翁十種の内 悪太郎」の2演目がラインナップされた。猿之助は開催の経緯を「若手には、新作と共に古典もやってもらいたい、そしてお客様には観たことのない古典をご覧いただきたいという2つの思いから企画しました」と述べる。
最後に観客に向けたメッセージを求められると、まず團子は、自身が福岡生まれであることを明かし「生まれた地である福岡の博多座に出演できることが、うれしくも楽しみでもあります。歌舞伎座での公演からさらに進化したものを博多座のお客様にご覧いただけるよう、精一杯がんばります。どうぞよろしくお願いいたします」と意気込みを語る。猿之助は「劇場においでいただければ、世の中の一切合切を忘れ、劇場の中で夢を見ていただける、そんな“夢見る芝居”にするべく、我々も一生懸命取り組みます。ぜひ1人でも多くの方にご来場いただき、公演を盛り上げていただければ」と言葉に力を込めた。
「二月花形歌舞伎」
2023年2月5日(日)~19日(日)
福岡県 博多座
「三代猿之助四十八撰の内 新・三国志 関羽篇 市川猿之助 咲き乱れる桃花の宙乗り 市川團子 本水にて大滝立ち廻り 相勤め申し候」
作:羅貫中「三国演義」より
脚本・演出:横内謙介
演出:
スーパーバイザー:市川猿翁
出演
関羽:市川猿之助
張飛:市川猿弥
劉備:市川笑也
香溪:坂東新悟
孫権:中村福之助
関平:
諸葛孔明:市川青虎
華佗:中村梅花
司馬懿:市川笑三郎
陸遜:市川男女蔵
呉国太:市川門之助
黄忠:石橋正次
曹操:浅野和之
「二月花形歌舞伎 市川猿之助監修 夢見る力-特別舞踊公演-」
2023年2月21日(火)
福岡県 博多座
一、「お国山三 春霞歌舞伎草紙 中村福之助宙乗り相勤め申し候」
作:長谷川時雨
出演
出雲阿国:坂東新悟
名古屋山三:中村福之助
二、「猿翁十種の内 悪太郎」
作:岡村柿紅
出演
悪太郎:市川弘太郎改め市川青虎
太郎冠者:市川團子
修行者智蓮坊:市川卯瀧
伯父安木松之丞:中村福之助
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博多座の『新三国志』結末も変わる❤‼️斜め宙乗りも本水も❤🐵もうスーパー歌舞伎Ⅱだよね
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