生きるということは…トリコ・A「へそで、嗅ぐ」山口茜が開幕への思い語る

トリコ・A「へそで、嗅ぐ」が、本日8月20日に東京・こまばアゴラ劇場で開幕した。

山口茜が上演台本・演出を手がける「へそで、嗅ぐ」は昨年初演された作品。今回の公演では、前回の稽古や本番で山口の身に起こった出来事が物語の中に取り入れられる。出演者には山口、福角幸子、高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子、中筋和調、温井茜が名を連ねた。なお山口は、体調不良で降板となった豊島由香に代わって出演する。

古家隆子は小さな寺で両親と共に暮らしていたが、ある日父が倒れてしまう。父の看病で不在となった母の代わりに、隆子のもとにヘルパーが派遣された。そんな中、隆子はにわかに権力を持った住み込みのバイトに友人の出入りを制限されてしまい……。

開幕に際し、山口は「自分で企画をして、台本を書いて、演出をして、というところまでは、なぜ自分が演劇をやるのかということについて、社会的意義を見出せているつもりでいたのですが、いよいよ自分も出るということになって、東京に出てくる前の晩、一生懸命荷造りをしながら台詞を口に出していたら、自分が何をしているのか、全くわからなくなってしまいました」と率直な思いを吐露。「でも、生きるということは、このようなことなのかもしれません。すべては誰のためでもなく、自作自演である。ということを受け入れて初めて、私たちは、もしかしたら誰かのためになる何かの、偶然の運び屋になれるのかもしれません。皆様のご来場を心よりお待ちしております」とコメントした。

公演は8月23日まで。