今年の「GOEMON」は“上方歌舞伎”らしく、5度目の上演に片岡愛之助・今井翼が意気込み

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「十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』」の製作発表が、本日8月24日に東京都内で行われた。

左から今井翼、片岡愛之助。(c)松竹

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左から今井翼、片岡愛之助。(c)松竹

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“歌舞伎×フラメンコ”をコンセプトにした「GOEMON 石川五右衛門」は、2011年に「システィーナ歌舞伎」で初演された作品。劇中では、大泥棒・石川五右衛門が、明智光秀の重臣・四王天但馬守の娘とスペインの宣教師の間に生まれた赤毛のハーフだったら、という設定の物語が展開する。本作は初演以来、2013年、2014年、2016年に上演され、今回は過去の上演に続き、石川五右衛門役を片岡愛之助が勤める。このほか、五右衛門の父・神父カルデロンと霧隠才蔵の2役を今井翼、出雲の阿国役を中村壱太郎、加藤虎之助役を中村種之助、石田局と名古屋山三の2役を上村吉弥、豊臣秀吉役を中村鴈治郎が担う。

左から松竹の山根成之専務取締役、今井翼、片岡愛之助、水口一夫。(c)松竹

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「十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』」チラシ

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製作発表には、愛之助と今井、作・演出の水口一夫、松竹の山根成之専務取締役が登壇。水口は、本作が今回で5回目の上演となることに「幸せな作品。作者冥利に尽きます」と笑顔を浮かべる。また、徳島・大塚国際美術館 システィーナ・ホールでの初演時には、客席との一体感を狙い、アリーナスタイルで上演したことに言及し、「そのあとの大阪松竹座での再演では、アリーナスタイルをそのまま持ち込むわけにはいかなかったので、演出を大幅に変え、客席から俳優を登場させたり、客席で立ち回りを行ったりすることで、“客席との一体感”を生み出しました。ただ今年はコロナ禍での上演。また大きく演出を変えることになるのですが、今回は上方歌舞伎らしく、“人の心や情”を強調して作り上げていければ」と構想を語った。

愛之助は、5回目となる五右衛門役に「こんなに同じ役を演じたことはない」と言い、「新作を作るとき、誰しもが“再演されるものを作りたい”と思うはず。なので、この役を繰り返し演じることができてうれしい」と笑みをこぼす。「ただ(2011年の初演から)10年、年をとったということなので、身体がキツくなってきました(笑)。トレーニングに励んでおりますので、このあとも5回にとどまらず、繰り返し勤めていきたい。できれば同じメンバーで上演していきたいですね」と意欲を見せる。さらに本作の魅力を「初めて歌舞伎を観る方にも、わかりやすい作品。また劇中、いろいろな歌舞伎のお芝居のパロディが入っておりますので、普段から歌舞伎を観ていらっしゃる方にもお楽しみいただけるかと」と表現した。

今回で、「GOEMON 石川五右衛門」に3回目の出演となる今井は、出演の経緯を「フラメンコのご縁から、2013年に大阪松竹座に観に行かせていただいて。奇想天外な物語や、歌舞伎の面白さに魅了され、愛之助さんの大ファンにもなりました。終演後、楽屋にご挨拶させていただいて、『この作品も、愛之助さんも大好きです』とお伝えしたところ、愛之助さんが『それであれば、来年一緒にやろう』と。愛之助さんは有言実行の方なので、翌年の2014年に初めて出演させていただきました」と振り返る。「初めて出演した際はカルデロン役のみだったのですが、2回目に出演させていただく際、愛之助さんから『今度は歌舞伎のお芝居もやってみないか』とお話をいただき、霧隠才蔵も演じることになりました。歌舞伎のお芝居をさせていただくことはいまだに緊張するのですが、愛之助さんをはじめ、皆さんのお胸をお借りして、一生懸命勤めたい」と言葉に力を込めた。

劇中で披露されるフラメンコについて、愛之助は「佐藤(浩希)先生が、毎年レベルを上げた振付をしてくださるので、毎回パワーアップしています(笑)。翼くんは余裕な感じですけど、僕らはついていくのに必死。毎回課題を与えられて、それに食らいついていく、という感じですね。今回もどんな振りができあがるのか、楽しみです」とコメント。「フラメンコはライフワーク」と語る今井は「僕は、歌舞伎のお芝居についていくのに必死ですね。(共演者は)日本の伝統芸能を守られている方たちで、常に鍛錬されている。そんな世界に入れてくださるわけですから」と話した。

これまで共演を重ねてきた2人。互いの最近の印象を記者から問われると、愛之助は「僕たち、通っている美容院が同じなのですが、この間、僕が来店する前に翼くんが来ていたみたいで。普通なら、さっとメールやラインで連絡すると思うのですが、なんと彼はお手紙を置いていってくれたんです(笑)。最近手紙でやりとりをすることが少なくなっているので、すごく熱い思いを感じてうれしかったですね。彼は出会ったときから変わらず、熱い男です」とエピソードを明かす。今井は「僕は先日ミュージカル『ゴヤ -GOYA-』という作品に出ていたのですが、愛之助さんが名古屋公演に日帰りで観に来てくださったのがうれしかった。この世界の大先輩ですし、公私共に明るく気にかけてくださる。“お兄ちゃん”というと失礼かもしれないのですが、いろいろなことをお話できる先輩です」と愛之助への信頼を垣間見せた。

公演は、10月5日から27日まで大阪・大阪松竹座にて。チケットの一般販売は、8月31日10:00にスタート。

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「十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』」

2021年10月5日(火)~27日(水)
大阪府 大阪松竹座

作・演出:水口一夫

出演

石川五右衛門:片岡愛之助
神父カルデロン / 霧隠才蔵:今井翼
出雲の阿国:中村壱太郎
加藤虎之助:中村種之助
石田局 / 名古屋山三:上村吉弥
豊臣秀吉:中村鴈治郎

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