キュイ「まだなにもはなしていないのに」ワークインプログレス、戯曲冒頭を無料公開

青年団リンク キュイ「まだなにもはなしていないのに」のワークインプログレスが、10月30・31日に東京・SCOOLで開催される。

これは12月10日から20日まで東京・こまばアゴラ劇場で上演される「まだなにもはなしていないのに」本公演に向けたワークインプログレス公演。作をキュイの綾門優季、演出・映像・宣伝美術をお布団 / 東京デスロックの得地弘基が担当し、劇中では、何者かによって家中を荒らされた家族の物語が描かれる。Wキャストで上演される本作のAキャストにはニッポンの河川の森谷ふみ、青年団の和田華子、Bキャストにはお布団の緒沢麻友、油井文寧が名を連ねた。

ワークインプログレスに向け、綾門は「ひきこもりの話で、いかに家から出ない方が幸せで、世界は醜悪なのか、ということがとくとくと語られるのですが、まさかこんな変なタイミングで発表することになるとは思いませんでした。本来は想定していなかった『共感』をお客さまの中から引き出せるのではないかと自負しております」とコメント。得地は「初見で驚くのも楽しいですが、噛みしめるように観るような体験から生まれる新しい驚きもあります。そういう準備ができればいいなと思っています。どうか気を負わずご来場ください」とメッセージを送った。

なお本公演のnoteでは、戯曲の冒頭部分が無料公開されている。

綾門優季コメント

劇作の綾門です。

未だに信じられませんが、この戯曲を書き始めたのは、2019年の末、こまばアゴラ劇場で本公演を終えたあとのことでした。ひきこもりの話で、いかに家から出ない方が幸せで、世界は醜悪なのか、ということがとくとくと語られるのですが、まさかこんな変なタイミングで発表することになるとは思いませんでした。本来は想定していなかった「共感」をお客さまの中から引き出せるのではないかと自負しております。

誰のことも考えなくていいです。国のことも考えなくていいです。世界のことも考えなくていいです。それはあなたにとって、全く関係のないことです。あなたは生涯あなただけ。

得地弘基コメント

演出の得地です。

ワークインなので、ノンストップで全部を見るのとは違って、まず戯曲を、その部分から、味わいをドリップしたいです。見る側もやる側も、そこから戯曲や演技の味わい方を見つけて、この上演を本公演に向けて楽しむための、楽しみの試しの時間にしたいです。

最近なかなか一つの作品を何度も観るのも難しいと思います。初見で驚くのも楽しいですが、噛みしめるように観るような体験から生まれる新しい驚きもあります。そういう準備ができればいいなと思っています。

どうか気を負わずご来場ください。

※2020年12月9日追記：12月公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。