これは映画「
その後舞台上に残った海老蔵は、「スター・ウォーズ」歌舞伎への意気込みや、“スター・ウォーズ愛”を語った。宇宙が好きだった父(故・市川團十郎)の影響で「スター・ウォーズ」のファンになったと言う海老蔵は、「子供の頃はよく父と望遠鏡を持って公園で星を見ていました。『スター・ウォーズ』は父と映画館で観たんです」とエピソードを明かす。
海老蔵は「優秀なジェダイも、恐怖や不安から暗黒面に引きずり込まれることがある。そこに魅力を感じる」と話し、「スター・ウォーズ」シリーズと歌舞伎の共通点を「市川團十郎家の歌舞伎十八番には勧善懲悪が描かれるので、ジェダイと暗黒面の戦いに似ていると思う」と分析。また「スター・ウォーズ」シリーズで好きなキャラクターはジャー・ジャー・ビンクスだと明かして会場を和ませ、映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」に向けては「カイロ・レンがどうなるのか気になりますが、本当に次の映画で『スター・ウォーズ』は終わるんでしょうか? 終わってほしくない……」とコメントした。
また「スター・ウォーズ歌舞伎」本編を前に、舞台には再びC-3PO、R2-D2、BB-8が。司会者が今回の歌舞伎の概要を説明する中、C-3POが歌舞伎の見得をイメージしたポーズで名乗りを上げる場面もあり、客席を盛り上げた。
海老蔵の口上ののち、いよいよ「スター・ウォーズ歌舞伎」が開演。本作では映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場するカイロ・レンの物語をもとに、登場人物の名称やセリフなどを歌舞伎の世界に置き換えている。最後の壽臺(じゅだい)である皇海大陸琉空(すかいおおおかるくう)の活躍で銀河に平和がもたらされたあと、帝国軍の残党である旺拿(おうだ)軍が新たな脅威となって力を強めている。琉空の双子の妹・澪殷(れいあん)は、壽臺軍を率いて旺拿軍に立ち向かいながら、行方不明の兄を捜していた。一方、壽臺軍の壊滅をもくろむ旺拿軍の魁煉之介、通称・魁煉は、超兵器星を使って壽臺軍への攻撃を計画する。それを知った澪殷の夫・半蔵は、息子・魁煉を連れ戻すために超兵器星の内部に侵入。基地の中枢部で魁煉に出会うが……。
「煉之介光刃三本」と題された本作は、魁煉が父・半蔵に刃を向けた「第一刃『父への刃』」、主君・數能角(すのうかく)の命を奪った「第二刃『主君への刃』」、師・琉空との戦いを描く「第三刃『師への刃』」という3つの場面が、約40分に凝縮されている。激しいツケの音や三味線の演奏が舞台を盛り上げる中、ストーリーは映像を交えながらテンポよく進行。本編には歌舞伎俳優たちのほか、C-3POも語り手として参加し、観客を物語に引き込んだ。
魁煉役の海老蔵は黒い着物姿で、カイロ・レンのマスクをイメージした黒い笠を手に姿を現し、赤いライトセーバーを振るって勇壮な立廻りを披露。「第三刃」では魁煉と琉空の2役を担当し、早替えを駆使しながら2人の激しい戦いを表現して会場を盛り上げる。また「第三刃」に出演した勸玄は、力強い語り口で幼少期の魁煉を演じ、父・海老蔵との親子共演を果たした。
J.J.エイブラムス監督作「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は、12月20日より全国で公開される。
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海老蔵がライトセーバー手に立廻り、一夜限りの「スター・ウォーズ歌舞伎」(イベントレポート) - ステージナタリー https://t.co/IVblEzxE1W