とやま賞受賞のタニノクロウが講演、「だから現代演劇は必要」

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第36回とやま賞贈呈式が本日5月29日に富山・富山国際会議場にて行われ、庭劇団ペニノタニノクロウが文化・芸術部門で同賞を受賞した。

タニノクロウ(撮影:六渡達郎)

タニノクロウ(撮影:六渡達郎)

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第36回とやま賞贈呈式の様子。(撮影:六渡達郎)

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とやま賞は、富山県の置県100年を記念し、富山県ならびに日本の将来を担う有為な人材の育成のために、1984年に創設された賞。対象となるのは、富山県出身者、または富山県内在住者で、学術研究、科学技術、文化・芸術、スポーツの分野において、顕著な業績を挙げ、かつ、将来の活躍が期待される人を奨励することを目的としている。

タニノクロウ(撮影:六渡達郎)

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贈呈式のあと、受賞者による記念講演が行われた。学術研究部門、科学技術部門の受賞者に続き、5番目に登壇したタニノは、第一声で「私のような者が、このような大変な賞をいただきまして、照れくさいというか恐縮しております」と挨拶。「私は現代演劇の演出家・劇作家です。と言われても、何をやっているか、わからないですよね?(笑) 現代演劇は何をやったっていいんです。表現として、とても自由な場です。私はその世界にいて、そんなことを生業にして生きています」と自己紹介し、これまで手がけた作品の舞台写真をスクリーンに映し出した。

タニノクロウ(撮影:六渡達郎)

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「私は脚本と演出をやっていまして、舞台美術も私がデザインしています。ただ、洗練された美しさとか芸術ということは考えたこともありません。その時その時に感じた、生きる悩みとか悲しみみたいなものを表現してきたつもりです。では、それを表現して何の意味があるのか……そういう自問自答を繰り返しながら、20年近くこの世界にいますが、いまだにわかった試しがないですね」とタニノは苦笑する。

続けてタニノは、今年2019年3月に富山・オーバードホールで上演された「ダークマスター 2019 TOYAMA」について言及。「これは富山を舞台にした作品で、出演する人もセットを作る人も全員、富山の人。そんなゆるい集まりで作りました。この作品に関わった人、観終わった人に何か少しでも変化があればと思ってクリエーションしましたが、実際そうなったと思います」と手応えを語る。

第36回とやま賞贈呈式の様子。(撮影:六渡達郎)

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また4月に「ふじのくに→せかい演劇祭2019」で上演された、ミロ・ラウ脚本・演出のドキュメンタリー映画「コンゴ裁判 ~演劇だから語り得た真実~」について触れ、同作がコンゴの街に与えた影響を語りながら、「演劇は“ゆるい”。それが重要。現代演劇は寛容さを持って集まれる場なので、安心して問題を深く探ることができる。だから現代演劇は必要なのだと思っています」と思いを述べた。

さらに「これから人は、初めての相手であっても、ある程度その人の情報を知った状態で会うことが増え、“なんだかわからない人”との出会いがどんどんなくなっていくのだと思います。でも、不確かさには大きな出会いや発見がある。という意味で、ゆるい人たちとの繋がりによって、なんだかわからない人たちと接触する現代演劇が、不確かさとの出会いの場になれば」と展望を語る。最後にタニノは客席に向けて「どうか好奇心のままに、社会と遊んで、社会と闘ってもらえればいいんじゃないかなと思います」と述べ、講演を終えた。

※「ふじのくに→せかい演劇祭2019」の→は相互矢印が正式表記。

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