範宙遊泳の新作「もうはなしたくない」開幕、山本卓卓「一回性を楽しみながら」

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範宙遊泳「もうはなしたくない」が、本日3月3日に東京・早稲田小劇場どらま館で開幕する。

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。左から島田桃子、油井文寧、熊川ふみ。(撮影:鈴木竜一朗)

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。左から島田桃子、油井文寧、熊川ふみ。(撮影:鈴木竜一朗)

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範宙遊泳「もうはなしたくない」より。左から島田桃子、油井文寧、熊川ふみ。(撮影:鈴木竜一朗)

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作・演出の山本卓卓が女性キャストオンリーの作品を手がけるのは今回が初の試み。出演者には範宙遊泳の熊川ふみ、ロロの島田桃子油井文寧が名を連ねている。山本は本作のテーマの1つとして“性”を扱い「昔書きたくても書けなかったことが、いまは少しずつ書けるようになってきた」とコメントしている。また物語の着想のきっかけについては、「結婚記念日に妻とレストランへ行ったとき、隣の席で5人くらいのマダムが“ペニス”の話をして大声で笑っていたんです」と実体験をベースにしていることを明かした。

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。左から油井文寧、熊川ふみ、島田桃子。(撮影:鈴木竜一朗)

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。左から油井文寧、熊川ふみ、島田桃子。(撮影:鈴木竜一朗)[拡大]

舞台上には大きな箱状のオブジェが設置されている。そこへ油井演じる吉村アカネ、熊川演じる南雲マキ、島田演じる香坂メグが登場し、3人は歩きながら世間話を始めた。会話から、アカネが自分の職場での出来事を回想していることが明らかになる。3人の会話は過去に起きた修羅場の話や、あけすけな性癖の話など、とりとめのない話ばかりだが、次第に“思い出話”と“現在の状態”が入り混じり、3人はさまざまな時空間の人物を演じ始め……。

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。舞台奥から油井文寧、熊川ふみ。(撮影:鈴木竜一朗)

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。舞台奥から油井文寧、熊川ふみ。(撮影:鈴木竜一朗)[拡大]

熊川は人生経験豊かで大人の雰囲気の女性・マキを多彩な表情で魅せる。島田は明るくフレンドリーだが、どこか謎めいたメグを細やかに表現。油井はほかの2人とは少し年の離れた後輩的キャラクターのアカネを、パワフルかつデリケートな内面も併せ持つ人物として立ち上げた。

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。島田桃子。(撮影:鈴木竜一朗)

範宙遊泳「もうはなしたくない」より。島田桃子。(撮影:鈴木竜一朗)[拡大]

昨年2017年8月に上演され、岸田國士戯曲賞にノミネートされた「その夜と友達」と同様、山本がこれまで用いてきた映像と俳優を“共演”させる演出は、今回ほとんど登場しない。女優の三者三様の表情や演技のニュアンスがじわじわと作用し合い、3人の“ごっこ遊び”はラストに向かって加速度を増していった。

上演時間は約70分。公演は3月11日まで行われる。なお3月9日14:00開演回の追加公演も決定。同回のチケットが本日3月3日に販売開始された。

山本卓卓コメント

小説や映画のように複製ができない、観たい時に目の前に・手元にない、それが演劇だとは思うのですが、そして僕はそれをいささかもどかしく思うこともあるにはあるのですが、今作に限っていえばその一回性を楽しみながらつくることができたように思います。一回と言わず二回でも三回でも観てもらいたい作品になりました。ぜひご覧ください。

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範宙遊泳「もうはなしたくない」

2018年3月3日(土)~11日(日)
東京都 早稲田小劇場どらま館

作・演出:山本卓卓
出演:熊川ふみ島田桃子油井文寧

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