新国立劇場に初登場の浅丘ルリ子「プライムになるのも初めて」

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「プライムたちの夜」が、明日11月7日に開幕する。それに先がけて本日6日にフォトコールと囲み取材が行われた。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」フォトコールより。左から香寿たつき、浅丘ルリ子。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」フォトコールより。左から香寿たつき、浅丘ルリ子。

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新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン「プライムたちの夜」フォトコールより。浅丘ルリ子。

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本公演は、海外の上質な新作をいち早く日本に紹介する新国立劇場のセレクション企画の第5弾。アメリカの新進作家ジョーダン・ハリソンによる「プライムたちの夜」を日本初演する。同作は2014年にアメリカ・ロサンゼルスで初演、2015年にピュリツァー賞の最終候補作品となり、オフ・ブロードウェイで再演、さらには映画化もされた。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」フォトコールより。左から香寿たつき、浅丘ルリ子。

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フォトコールでは、作品前半の重要な1シーン、10分程度が公開された。ある家の居間で、香寿たつき演じるテスと相島一之演じるジョン夫妻が、テスの母であるマージョリーを巡って意見を交わしている。そこへ当のマージョリーがやって来て……。

よくある家庭の風景のようでいてどこか違和感を感じさせるのは、3人が過ごす居間の奥、暗がりの中で微動だにしない、佐川和正演じるウォルターの存在だ。彼はマージョリーの亡き夫、若き日のウォルターに似せたアンドロイド、プライム・ウォルターなのだった。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」囲み取材より。左から相島一之、浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」囲み取材より。左から相島一之、浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正。[拡大]

フォトコール後の会見には、出演者4名と演出を手がける宮田慶子が登壇。新国立劇場に初登場となる浅丘は、「今回は初めてだらけです」と口火を切る。「国立劇場に出演するのも、300席という劇場の大きさも、4人芝居も、この座組も、プライムになるのも初めて(笑)。初めてだらけで戸惑いましたが、やっていくうちに不思議な舞台だなあと。お客様にどう観ていただけるか……でも言ってしまえば簡単なお話です。家族愛の物語ですからね」と宮田に視線を送り、宮田が大きく頷く。記者から、記憶が薄れゆく85歳の女性という役どころについて問われると、浅丘は「とても楽しい。最近は人の名前が覚えられなくなってきたので、私にぴったりです!」と明るく答える。

浅丘ルリ子

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マージョリーの娘テスを演じる香寿は「大尊敬する浅丘さんとご一緒できるということで緊張していましたが、初めてお会いしたときからすごいオーラがあって、本当に学ぶことがいっぱいで……。また、新しい技術であるAIのお話ですので、お客様に楽しんでいただけるよう精一杯がんばらせていただきます」と意気込みを述べる。

テスの夫ジョン役の相島は、「浅丘さんとご一緒できるのが何よりうれしく光栄なことです。伝説の女優と同じ舞台に立って、いろんなことを見たり聞いたりできるのは財産だなと。オフの日にね、みんなでカラオケに行ったんです。『銀座の恋の物語』を、ルリ子さんの映像で、ルリ子さんとデュエットしたことはすごく感激でした!」と語り、会見場を和ませる。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」囲み取材より。左から相島一之、浅丘ルリ子。

2017/2018シーズン「プライムたちの夜」囲み取材より。左から相島一之、浅丘ルリ子。[拡大]

「浅丘さん、相島さん、香寿さんとご一緒でき、稽古中もぜいたくなプロセスが経験できました」と語るのはマージョリーの夫ウォルター役の佐川。佐川はさらに「人間じゃない役を演るのは、学生のときに熊の役をやって以来初めて(笑)。お客様からどんな反応がいただけるのか楽しみです」と笑顔で述べる。

宮田慶子

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出演者たちの発言を受けて宮田は、「最近はAIのことがしょっちゅうニュースに取り上げられますが、このお話は今よりちょっとだけ未来の、AIがアンドロイドという形で家庭に入り込んでしまった世界のお話。親子や夫婦、高齢化社会の問題など、私たちが抱えるさまざまな家庭の問題をAIが解決できるのかということが描かれています」と見どころを説明する。さらに宮田は「浅丘さんにご出演いただけたことがとてもうれしい」と語り、「実は最初、浅丘さんとても悩まれて……」と続けると、浅丘が「だってわけわからなかったんだもん!」と応じて、記者から笑いが起こる。浅丘は「この台本をいただいたとき、ちょうど『やすらぎの郷』と『おんな城主 直虎』の台本も読んでいたのですが、この台本は一読して『これ、何? 私こんなのできない』と思ったんです。で、宮田さんにお会いしてお断りしようと思ったんですけど、宮田さんからいろいろ説明を受けて、実際に稽古を始めてみたら面白いし、素敵な作品かもしれないなと思って。それで今は張り切ってやっています」と笑顔を見せる。

また、和やかなカンパニーの雰囲気を象徴するエピソードとして、相島が「こちらの2人(浅丘と佐川)は仲良しです。休憩時間になると一緒のところに座って2人でお茶を飲んでるんですよ(笑)」と話し、出演者たちから笑いが起きた。最後に浅丘が「観終わっても拍手していいのかわからない作品かもしれません。が、私たちは拍手をいただけるようにがんばります」と力強く述べ、会見は終了した。公演は11月26日まで、東京・新国立劇場 小劇場、11月29日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。

なおステージナタリーでは、本作の演出・宮田とプロデューサーの三崎力による対談を展開中だ。

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新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン「プライムたちの夜」

2017年11月7日(火)~26日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

2017年11月29日(水)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:ジョーダン・ハリソン
翻訳:常田景子
演出:宮田慶子
出演:浅丘ルリ子香寿たつき佐川和正相島一之

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