こまつ座「きらめく星座」開幕、秋山菜津子「あらゆる方に観て頂きたい」

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こまつ座「きらめく星座」が昨日11月5日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕した。

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」チラシ

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こまつ座旗揚げ翌年の1985年に初演された本作は、井上ひさしによる「昭和庶民伝三部作」の1作目。浅草のレコード店・オデオン堂を舞台に、太平洋戦争前夜までの1年間を描いた音楽劇が展開される。

演出を手がけるのは2009年、14年に続き栗山民也。主人公・ふじ役を2014年の上演版で読売演劇大賞最優秀主演女優賞を獲得した秋山菜津子演じるほか、山西惇久保酎吉田代万里生木村靖司、後藤浩明、深谷美歩阿岐之将一、岩男海史、木場勝己といった面々が出演する。

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」ビジュアル

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また会場では第120回記念公演を記念し、井上ひさし未発表作品「パズル」の原稿の一部や、公演中止となった作品も含む過去作のチラシを展示する「こまつ座のキセキ」も開催される。開催に際しこまつ座代表の井上麻矢は「いつも観てくださるお客様にどうしたら喜んでいただけるか、私たちが今回企画した展示はそんな気持ちの中で生まれました。混沌とした時代だからこそ、劇場でしか味わえないものをお持ち帰りいただけるように取り組んでいます」とコメントを寄せている。

「きらめく星座」の東京公演は23日まで。城南信用金庫の吉原毅氏やいとうせいこうを招いてのトーク、辻萬長らによる「井上ひさし誕生日特別トークショー」などアフターイベントも行われるので併せてチェックしよう。11月30日には宮城・えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホールへと巡演する。

栗山民也コメント

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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三年前と同じ顔ぶれの俳優が集まった今回の稽古場は、実に豊かな時間だった。言葉が俳優の肉体に染み込んだ状態でスタート出来たので、自然に開かれていく様は、あたかも日常生活の断面をそのまま切り取ったように柔らかだ。井上さんに見せたい、聞かせたいと、心から思う。日常のニュースのなかに平然と流れる、「排除」「選別」といった言葉が人間に対して平然と使われる今の時代は、「きらめく星座」で描かれる時代と怖いほどに重なる。こういう芝居が必要ないと「排除」されるのなら、もう私たちの生活から物語や文化というものが、どこかへ葬られてしまう事になる。ちゃんと守らなくては、と切実に思う。

秋山菜津子コメント

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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私が今までに出会った作品の中で、ベストワンの戯曲であると改めて深く感じさせられた、今日までの稽古の日々でした。
何度も本作品を観ている方も、初めての方も、若い方も、演劇がちょっと苦手という方も、とにかく“現在(いま)”この時代に生きているあらゆる方に観て頂きたい。
これ程皆さんにお届けしたいと願う作品は、本当に稀かもしれません。それだけの魅力と力を備えた井上ひさしさんの「きらめく星座」。私も誠心誠意、心を込めて演じたいと思っています。

山西惇コメント

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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3年ぶりに高杉源次郎として初日を迎えられること、光栄に思います。
この名作戯曲を鯛の塩焼きに例えれば、夢中で食べた3年前と比べて、今回は一口ずつじっくり 味わい、残った骨からも美味しいお出汁をとっていただいた位に更に充実した稽古が出来ました。
初演から30年以上を経てもなお、益々輝きを増して今の私たちの胸に迫る「きらめく」台詞の数々を、素敵な共演者の皆様と共に精一杯お届けしたいと思います。
劇場にてお待ちしています。

田代万里生コメント

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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昭和15年の浅草の人々は、いったいどんな気持ちで、どんなきらめく星座を見上げていたのか。
現代の私たちは、今【何を】見上げているのか。今回の舞台は、例外なく誰にとっても自らのルーツに繋がっているのではないかと思います。井上ひさしさんの力強いメッセージをこの作品を通して精一杯体現し、人間そのものである『ピカピカの奇蹟』を、より一層輝かせることが出来ますように。数ある井上ひさし作品の中でも、自身の「私戯曲」とまで言っているほど思い入れのある大傑作。全力でお届け致します。

木場勝己コメント

こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」より。(撮影:夛留見彩)

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1992年、初こまつ座が「きらめく星座」。この時の役は、脱走兵・正一です。
2009年、2014年の再演では、広告文案家・竹田慶介です。自ら語っていた台詞を聞き、聞いて いた台詞を、自らが口にする、奇妙で新鮮な経験でした。そして、もうすぐ初日の今回も、竹田慶介です。あの「人間広告」の台詞を、長年に渡って言わせていただきましたが、オデオン堂の居候も67才。今回が最後になるかも知れません。

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こまつ座 第120回記念公演「きらめく星座」

2017年11月5日(日)~23日(木・祝)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

2017年11月30日(木)
宮城県 えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール

作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:秋山菜津子山西惇久保酎吉田代万里生木村靖司、後藤浩明、深谷美歩阿岐之将一、岩男海史、木場勝己

スペシャルトークショー

11月7日(火):秋山菜津子、山西惇、田代万里生、木村靖司、深谷美歩
11月12日(日):吉原毅氏(城南信用金庫 顧問)「―戦争の足音が聞こえる時代に―」
11月16日(木):辻萬長、木場勝己、久保酎吉、後藤浩明「井上ひさし誕生日特別トークショー」
11月21日(火):いとうせいこう「―『音楽』は人に『笑い』を連れてくる―」

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