木ノ下歌舞伎の“大歌舞伎”第1弾「義経千本桜」、演出は多田淳之介

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木ノ下裕一が主宰する木ノ下歌舞伎が、10周年を記念して”大歌舞伎”を開催。その第1弾として「義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー」を上演する。

2012年に上演された木ノ下歌舞伎「義経千本桜」より「渡海屋・大物浦の場」。(撮影:清水俊洋)

2012年に上演された木ノ下歌舞伎「義経千本桜」より「渡海屋・大物浦の場」。(撮影:清水俊洋)

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歴史的な文脈を踏まえつつ、歌舞伎演目上演の現在性について探究する団体・木ノ下歌舞伎。2006年の旗揚げ以来、さまざまな演出家を招いて作品を発表している。今回演出を手がけるのは、東京デスロックの多田淳之介だ。多田は2012年に木ノ下歌舞伎に参加しており、そのとき手がけた「義経千本桜」の二段目、「渡海屋・大物浦の場」に再び挑む。都落ちした源義経とその家来たちは、大物浦にある船宿渡海屋に身を寄せている。実はその渡海屋の主人・銀平は、壇ノ浦の戦いで死んだはずの平知盛だった……。

出演は、ままごとの大石将弘、大川潤子、榊原毅、東京デスロックの佐藤誠、佐山和泉、夏目慎也、さらに木ノ下歌舞伎「黒塚」で好演した武谷公雄、青年団の立蔵葉子山本雅幸。今回はどんな演出が施されるのか期待が高まる。

上演に向けて主宰の木ノ下裕一からステージナタリーに寄せられたコメントは以下の通り。

木ノ下裕一コメント

東京デスロックの多田淳之介さんと一緒に「義経千本桜-渡海屋・大物浦」を創ります。多田さんは常に、〈現代(いま)〉に対して“もの申す”演出家だと僕は思っていて、しかもその“もの申し方”が爽快なほどストレートで、でもおどろくほど繊細で、そして豊穣なんですね。
「俺はこう思うけど、で、みんなどう?」という声が聞こえてくるような作品をお作りになってます。だから、今回も「日本の歴史と現代(いま)を問い直す」ような作品になればいいなと思っています。目下、僕は今、補綴(台本の編集)中ですが、269年前に初演された古典戯曲なのに、「あれ、これ現代の話じゃない?」と錯覚することしばしばです。そのような感覚は今回がはじめてなので、僕は今、すごく興奮しています。
そもそも、『義経千本桜』自体が、当時の江戸時代の人々が、自分たちの〈歴史〉を問い直そうとした演目であり、歴史に埋もれてしまった“敗者”たちの声を、虚構(物語)の力によって取り戻しそうとした戯曲なのだということに気が付きました。だから、もしかすると、多田さんと『義経千本桜』は、すごく相性がいいのかもしれません。
この作品が、もはや一眼的な「歴史認識」では、にっちもさっちもいかなくなっている現代の私たちにとって、様々な発見をもたらしてくれることを願っています。
あ、もちろん、歌舞伎のエンタメ性、遊戯性も尊重しながら、サイコーに興奮する、愉快な、そして、尖った作品にするつもりです。ご期待くださいませ。

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木ノ下歌舞伎「義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー」

2016年5月27日(金)~30日(月)
愛知県 愛知県芸術劇場 小ホール

2016年6月2日(木)~12日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

2016年6月18日(土)
愛知県 ハートフルホール(豊川市御津文化会館)

作:竹田出雲、三好松洛、並木千柳
監修・補綴:木ノ下裕一
演出:多田淳之介
出演:大石将弘、大川潤子、榊原毅、佐藤誠、佐山和泉武谷公雄立蔵葉子、夏目慎也、山本雅幸

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笠間書院 文学フリマ東京39 A-29〜30 @kasamashoin

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