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読売演劇大賞受賞のKERA、次回作「8月の家族たち」にコメント

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昨日2月4日、2015年上演の「グッドバイ」で第23回読売演劇大賞の最優秀作品賞・優秀演出家賞を受賞したことが明らかになったケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。KERAにとっては、2002年上演の「室温~夜の音楽~」、2007年上演の「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」に続き、演出家として3度目の読売演劇大賞受賞となった。

受賞にあたりKERAは、「作品賞で最優秀を頂くのは、関わった全員で頂けたという事なので、それが一番うれしいです。芝居はチームワークだと思うので、それを認めてもらえたということがうれしかった」とコメント。さらに「社会派でもない教訓をもたらさない純粋コメディ、僕はそれは決して悪い事ではなく“純粋コメディ”ということに価値があると思っているのですが、そういう娯楽作としてのコメディはなかなか賞はもらえない印象もあります。しかし、今回、名だたる作品の中で最優秀ということで評価されたのは、“笑いのための笑い”をやっていてもきちんと評価して頂けるんだな、と思えてうれしいですね」と喜びを表した。

同賞受賞後、KERAの初演出作品となるのが、5月に上演される「8月の家族たち August: Osage County」だ。2007年にシカゴで初演されたトレイシー・レッツの戯曲で、ピュリツァー賞とトニー賞を受賞、映画化もされている。父の失踪により実家に戻った3姉妹と家族の物語を、今回は毒舌な母・バイオレット役に麻実れい、長女バーバラ役に秋山菜津子、次女アイビー役に常盤貴子、三女カレン役に音月桂というキャストで描く。

本作の演出にあたりKERAは、「『グッドバイ』とはまた全然毛色の違う翻訳劇ですけれども、自作にしろ、他の人の作品にしろ、毎回いろいろなものを手がけていきたいです。家族の崩壊劇なので、辛辣な会話が飛び交うキツいコメディですが、僕はその辛辣さが面白いと思っています。ハートウォーミングというよりはブラックなコメディで、観る人は身につまされるものがあるのではとも思いますが、それをエンターテインメントとして仕上げていくのは、僕もキャストもチャレンジだと思います」と意気込みを語る。

さらに、2012年上演の「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」、2015年上演の「三人姉妹」でも高い評価を得たKERAらしく、「3人姉妹ものが大好きな僕としては他の人にはやらせたくない舞台です。稽古はこれからで、初めて手合わせをする俳優さんが半分位。まだ見えない事もいっぱいありますが、96%くらい直しを済ませた上演台本もあるので、これから演出の仕事に集中できるんじゃないかな。秋山菜津子さんとか麻実れいさんとか、エネルギッシュな女優たちに負けないように演出しないといけないな、と思っています」と出演者たちへの信頼も述べた。

なお本日2月5日、「8月の家族たち August: Osage County」のスポット動画が公開。作品の雰囲気をひと足早く味わいたい人は、ぜひ見てみよう。

シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ 2016「8月の家族たち August: Osage County」

2016年5月7日(土)~29日(日)
東京都 Bunkamuraシアターコクーン
2016年6月2日(木)~5日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

作:トレイシー・レッツ
翻訳:目黒条
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:麻実れい秋山菜津子常盤貴子音月桂橋本さとし犬山イヌコ羽鳥名美子中村靖日、藤田秀世、小野花梨村井國夫木場勝己生瀬勝久

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